炊飯器の性能アップにしのぎを削る家電業界。お米を銘柄別に炊き分けたり、長時間の保温でもおいしさを保ったりとその性能の進化は止まることを知りません。そんな中、異彩を放っているのが「BALMUDA The Gohan」(以下、The Gohan)。
とにかくこの炊飯器、デザイン、機能、炊き方がほかの一般的な炊飯器とは異なります。そのせいか、私の周りでも興味はあるものの「果たして自分が買っても満足できるだろうか」と不安に思っている方がちらほら見受けられるようです。
10万円超の高級炊飯器を買えば、確実に自分を満足させてくれるでしょう。いや、満足させてくれなければ困ります。あの価格にはその安心料が含まれると思います。では、4万円台のThe Gohanはどうなのでしょうか。
そこで少々長期にわたって製品をお借りし、普段使いさせていただきました。見えてきたのは、The Gohanはいろんなものがそぎ落とされた、とてもシンプルな炊飯器だということ。そのぶん使い手を選ぶことは間違いありませんが、両者のニーズがフィットしたとき、とてもいい関係が築けそうな炊飯器である、ということでした。
まずやはり気になるのはそのデザイン。かまどに乗せる羽釜のようで、どっしりした印象です。ご飯を炊く道具であることがイメージしやすいともいえます。
カラーバリエーションはマットな黒または白で、キッチンを含めてモノトーンまたはインダストリアル系にまとめたインテリアに馴染みやすいでしょう。すでに同社のトースターやポットを持っている場合は、色や質感に統一感が生まれて見た目にも美しくなります。
用意されている炊飯モードは白米、無洗米、玄米用で、炊ける量は最大3合まで。予約炊飯もできます。白米や早炊きは3合まで、玄米、炊き込みは2合まで、おかゆは1合までとなっています。
一番変わっているのは炊き方です。お米と水を入れる内釜の外にさらに釜があり、中に200ccの水を入れ、加熱時に水蒸気を使って炊きあげるのです。内釜はヒーターに接しておらず、加熱するのは外釜に入れた水による蒸気。100°Cを超えないようにすることで、むしろ粒を踊らせず、きれいなお米のまま炊きあげるそう。
内釜はお米を入れ、必要な水位線まで水を入れるところは通常と変わらないので、外釜の水を用意するところだけが1手間多いといえば多いのですが、炊き方を選んでスタートボタンを押すだけで、白米炊飯ではだいたい60分前後、玄米なら90分前後、早炊きなら39分前後で炊きあがります。
もう1つ炊飯器としてユニークなのは、The Gohanには保温機能がないところ。保温してもおいしくないからとのことで、とても割り切っています。
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