NTTコムの「ネット家電接続サービス実験」が目指すもの
NTTコミュニケーションズは、「ネット家電接続サービス」の提供に向けた実証実験を2月16日から開始する。同社が開発した通信プロトコル「m2m-x」(エム・ツー・エム・エックス:開発コード)の実用性や安全性を検証し、「2004年中には何らかの形でサービスを開始する」考えだ。実験には、東芝やパイオニア、三菱電機といった大手家電メーカーなど11社が参加する予定。
m2m-xは、ネット家電や携帯電話、パソコンなどがインターネットを介して双方向のリアルタイム通信を行うためのプロトコル。IP電話でお馴染みのSIP(Session Initiation Protocol)を応用したものだという。「m2m-xは、SIPのフレームワーク中に、いくつか新しい定義を加えたもの。SIPは、電話の呼制御を行うシンプルな通信手順として知られているが、m2m-xの場合は“モノとモノ”がエンド-エンドで通信を行うための基本部分を提供する」(同社)。
m2m-x対応機器は、まずNTTコミュニケーションズの設置する専用サーバにアクセスし、認証や暗号化設定を行う。その後は、サーバを介さず、機器同士が直接やりとりする仕組みだ(図を参照)。またセキュリティと認証のため、VPNで知られるIPSecの採用を検討中。通信は3DES暗号化される。
「m2m-xは、もともとIPv6標準のIPSecを前提に開発し、IPv4に適用するために機能を追加したもの。煩雑なIPSecの設定を不要とし、また重い暗号鍵の生成プロセスを“軽く”している点が特徴だ。処理負荷が小さいため、機器メーカーはコストをアップさせることなく、m2m-xをサポートできるだろう」(同社)。
同社が提供するm2m-xプラットフォームを家電の標準的なネットワーク接続手段とし、その上でメーカーやサービスプロバイダがさまざまなサービスを提供する。これがNTTコミュニケーションズの描く未来図だ。「IPv4でサービスを提供するには、NAT越えなどの問題を解決しなければならない。しかし、年内には何らかの形でサービスを開始できると考えている」。
また、同社は2月10日に設立した「ユビキタス・オープン・プラットフォーム・フォーラム」(UOPF)にm2m-xを提案するほか、SIPの標準化作業を行っているIETF(Internet Engineering Task Force)にも標準化を働きかけていく。
モニターは数百人規模
実験には、機器メーカーなど11社が参加し、実際の使用環境に近い形でセキュリティ面や運用面の検証を行う。実験期間は2月16日から9月末日まで。クローズドながら、数百人規模のモニターを集めるという。「参加各社の関係者など100世帯に機器を設置するほか、ラボに数百人のモニターを招いて利便性に関する聞き取り調査を行う。ただし、モニターの一般公募はしない」(同社)。参加企業は、三洋電機、ソニーブロードバンドソリューション、タカラ、ディアイティ、東芝、パイオニア、パナソニック コミュニケーションズ、富士通アクセス、松下電工、ヤマハ、リコー。
東芝や富士通アクセスは、外出先から自宅LANにVPN接続し、ファイルの送受信やDVDレコーダーの予約録画などを行う“パーソナルVPN”を検証する。東芝は、この実験のためにVPNサーバ機能を備えたホームサーバを提供する予定だ。
また、ソニーブロードバンドソリューションは、Playstation 2とUSBカメラを使ったビジュアルコミュニケーション、松下電工は住宅設備機器を遠隔コントロール可能な「エミットホームシステム」を検証する。パナソニック コミュニケーションズ、富士通アクセス、ヤマハの3社は、家庭のゲートウェイとなるルータやADSLモデムを提供するという。これらの実験機器は、来週都内で行われる「IPv6ビジネスサミット2004」で、公開デモンストレーションを行う予定だ。
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