新iPod nanoを試す(ビデオカメラ編):レビュー(2/2 ページ)
一新されたiPodシリーズだが、やはり注目はビデオカメラを搭載したiPod nanoだろう。レビュー前編では既存製品との違いとビデオカメラ機能に注目する。
撮影するにはメインメニューから「ビデオカメラ」を選択するだけ。センターボタンを押すと撮影が開始され、撮影中には右上に録画時間が表示されるのみとシンプル。スピーカーは内蔵しているが、録画開始/終了時にシャッター音などはせず無音だ。ズームやオートフォーカス、画質調整機能などは備えておらず、機能面でも非常にシンプルといえる。
パンフォーカスのためピントが甘めであったり、蛍光灯下で撮影すると青かぶりしやすい傾向が見られ、また、マイク感度の関係か被写体よりも撮影者の声を拾いやすいなど気になるところもあるが、画像は十分に鮮明。個人的には1〜2世代前の携帯カメラで撮影した映像のクオリティだと感じた。ただ、本体が軽くて薄いため、手ブレを起こしやすい。場合によってはヒジをつくなどして、しっかりと固定するすることが綺麗な映像をとるためのポイントになるだろう。
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撮影スタンバイの状態でセンターボタンを長押しすると、エフェクト選択画面に切り替わる。画面は4分割され、標準/X線/セピア/白黒/サーモグラフィー/サイボーグ/フィルムグレイン/監視カメラ/万華鏡/ミラー/凸(バジル)/モーションブラー/凹(デント)/渦巻き/光のトンネル/引き延ばしの各エフェクトをその効果をリアルタイムで確認して適用できる。
セピアや白黒は想像通り全体的な色調が変化するだけだが、フィルムグレインではランダムにノイズが乗り、サイボーグでは時おり画面中央の物体にズームするような動きを見せるなど、単なるフィルターというより特殊効果とも呼べるようなものが複数用意されており、なかなか楽しい。
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映像の解像度は640×480ピクセル、最大フレームレートは30fps。映像コーデックにはH.264が利用されており、音声はAACで記録される。撮影した動画をiPod nano本体で楽しむ際には、メインメニューから「ビデオ」「カメラで撮影したビデオ」と選択すると日付ごとのサムネイルから映像を選択できる。再生中にセンターボタンを押すと音量調節のバーが現れるので、クリックホイールを回転させると音量を調節できる。
撮影した映像をYouTubeなどで楽しむ際にはiPod nanoから取り出す必要がある。Mac OS環境ならばiPhotoを立ち上げればよいが、Windows環境にiPhotoはない。USB接続時にはマスストレージクラスのデバイスとして認識されるので、マイコンピュータあるいはエクスプローラからファイルをコピーする(「DCIM」以下に動画ファイルは保存されている)などの手段で取り出す必要がある。
撮影したファイルはiTunesで扱うことのできる「.MP4」形式なのだから、本製品と同時に登場したiTunes 9に簡易的でも構わないので、動画を吸い出せる機能を入れて欲しかったところだ。
次回は音楽再生のほか、新たに追加された機能について検証していく。
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