録画ヘビーユーザーに便利な仮想DMS技術「DiXiM VDMS」とは?:リモートアクセスDay2015
家の中にある複数のレコーダーで録画した番組を1つの画面で一覧し、再生まで行える。しかもレコーダーのメーカーは問わない。ヘビーな録画ユーザーにうれしい技術が登場した。
デジオンとバッファロー、アイ・オー・データ機器は3月18日、録画ヘビーユーザーの利便性を向上させる仮想DMS技術「DiXiM VDMS」と対応NASの試作機を公開した。同日開催されたDLPA(一般社団法人デジタルライフ推進協会)主催のイベント「リモートアクセスDay2015」で展示したもの。今年の夏をメドに提供を開始する。
「DiXiM VDMS」は、対応するNASが1台あれば、複数のDMSを一括管理できるというもの。例えばリビングルームのBDレコーダーや書斎のPCなど、異なる部屋にDMSがある場合でも、対応NASにアクセスするだけで各レコーダーに保存されている録画番組をシームレスに表示し、かつストリーミング再生が行える。「これまではレコーダーと再生機は1対1の関係だったが、VDMSがあればレコーダーの違いを意識せずに録画番組を楽しめる」(バッファロー)。
番組をNASにダビングしておく必要はない。対応NASは、各レコーダーからコンテンツ情報(プロファイル)だけを取得し、プレーヤーとなるアプリ「DiXiM play SE」にキャッシュ。画面上では、ドラマやバラエティーといったジャンルで録画番組をソートできる。さらにDiXiM play SEから再生指示を行えば、各レコーダーはストリームを送信する仕組みだ。DiXiM play SEは、iOS/Android/Windowsストア版が提供される予定で、スマートフォンやタブレットの画面で家中のレコーダーを管理できることになる。
仮想DMSは、パナソニック「DIGA」シリーズの「家じゅう録画一覧」や、東芝「レグザサーバー」の「タイムシフトマシンリンク」に近いアプローチといえるが、レコーダーのメーカーを問わないのがメリット。またNASに搭載されたトランスコーダーを利用することで、例えばDRモード録画にしか対応していない古いBDレコーダーなどの録画番組をスマートフォンで視聴することも可能だという。
対応NAS(予定)は、バッファローの「LS411DXシリーズ」およびアイ・オー・データ機器の「REC-BOX DRシリーズ」。バッファローは6月にファームウェアバージョンアップを実施し、同時に動作確認済みレコーダーなどの情報も開示する予定だ。一方のアイ・オー・データ機器は「夏頃」と話している。
なお、VDMSの利用は宅内(ホームネットワーク内)に限られる。これは著作権管理技術のDTCP-IPが“中継デバイスを挟んだリモートアクセス”を認めていないため。一方でデジタル放送番組以外のコンテンツは宅外からのリモート視聴も可能になるという。
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