「YouTuberは文化じゃない」「VOD元年はこれから」 Hulu×dTVのキーマン対談:有料動画ユーザーの詳細が明らかに(2/3 ページ)
盛り上がりを見せる定額制動画配信サービスは、どんなユーザーがどのように利用しているのか。VODサービス「Hulu」と「dTV」のキーマンが現状を分析し、今後の展望を語った。
若者は15分以上動画を見ない?
両サービス共にアニメ効果で若いユーザーが増えてきたということだったが、会場からは「最近は若者が長い映像を見ることができず、YouTubeなどで短尺な動画を好んで視聴する傾向があるのでは」という声が挙がった。
これに対して村本氏は「35歳以上の人は映画を見始めたら最後まで見るが、10〜20代の人はスマホなどを使って15〜20分刻みで細切れに視聴する。導入で引き込まないと離脱してしまうので、最後に盛り上がる作品は若者とは相性が悪いかもしれない。若い人はテレビを1.3倍速で見ることもあるし、1本の映画を通しでじっくりみるという前提がもうなくなってきている」とエイベックスの視聴データをもとにコメント。
船越氏も「全体的な傾向として我慢して視聴できる時間がどんどん短くなっているのは事実だが、本当にいい作品は長くてもきちんと見てもらえる」と述べた。
特に若者はスマホを使って隙間時間に動画を見る傾向にあるため、テレビを使って視聴するユーザーたちよりは細切れ視聴になるのは当然の流れだろう。
「作品が人をターゲティングする」「作品選びは社員の目利き」
VODサービスに入れるコンテンツの選定基準についての考え方も、両者の違いが浮き彫りになった。「dTVは一定の社内基準を設けるものの、音楽や舞台、落語など、楽しめる映像なら何でも提供するというスタンス」だと村本氏は話す。
また、「韓国ドラマは45歳以上の女性に支持され、洋画ファンは上の年代にファンが多いなど、作品が人をターゲティングする側面がある。なので、ユーザー属性に合わせて作品を投入するというよりは、ある作品を入れることでそのファンが結果的に集まってくる」と続けた。最近では20代もVODサービスを通じて海外ドラマを見る人たちが増え始めており、シリーズものの続きを待ちきれずに最新作を別途課金してまで視聴する人も出てきているという。続きが見たいと思ったときに、家から出ずにボタン1つで視聴できるのはVODならではのメリットだろう。
一方のHuluは、コンテンツ選定についての基準は一切設けておらず、「社員の目利き」(船越氏)に任せている。映画も興業収入に左右されることはなく、ユーザーが求める作品を社員が肌感覚で選ぶ。ただ、先述したようにアニメは若者を中心にどの年代にも人気があるコンテンツだという認識は両者ともに持ち合わせているようだ。
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