部屋中を“上質な音”で満たす――テクニクス「OTTAVA」のこだわりと実力:山本浩司の「アレを見るならぜひコレで!」(3/3 ページ)
先頃ラスベガスで開催された「CES 2016」では、ダイレクトドライブ方式のアナログレコードプレーヤー「SL1200G」が発表され、注目を集めたテクニクス。今回は1月下旬から始まる「OTTAVA」(型番はSC-C500)と密閉型ヘッドフォン「EAH-T700」を試聴した。
2Wayドライバー構成の本格派ヘッドフォン「EAH-T700」
OTTAVAとともに今月から発売されるのが、密閉型ヘッドフォンの「EAH-T700」だ。100kHzまで高域再生限界を伸ばしたというのはにわかには信じ難いが、なにはともあれ2Wayドライバー構成の本格派で、イヤーパッドには上質な人工皮革(プロテインレザー)が使われている。
コード(英国)の「Hugo」をヘッドフォンアンプに用いてハイレゾファイルを再生してみたが、すっきりとハイが伸びた空間性豊かな澄明なサウンドが聴けた。イヤーパッドの装着感も快適で、これなら長時間リスニングが苦にならないはずだ。
そのほか昨年発売された「R1シリーズ」と「C700シリーズ」の中間に位置付けられる「Gシリーズ」が、この春以降に順次登場するという。先述した「SL1200G」もこのシリーズの製品に位置付けられるわけだが、それ以外には音質ケアに留意したスイッチング電源が採用されたフルデジタルのネットワークプレーヤーアンプ「SU-G30」とストレージメディアに高音質が期待できる個体メモリーのSSDを採用したCDリッピングサーバの「ST-G30」がラインアップされる。
両機の試作機で「R1シリーズ」の超本格スピーカー「SB-R1」を鳴らしてみたが、すでにフルデジタルアンプらしい腰の座った力感あふれるサウンドを聴くことができた。少し低音の表情が硬いのと音場の広がりに不満を抱いたが、発売までにはきっと改善されることだろう。その仕上がりに期待したい。
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