ユーザーみんなが落とし物を探してくれるGPSトラッカー「TrackR bravo」:山本敦の「体当たりッ!スマート家電事始め」(2/2 ページ)
今回は、カリフォルニアのスタートアップ企業が開発したコイン型Bluetoothトラッカー「TrackR bravo」を紹介しよう。通常のトラッカーはBluetoothの通信エリアを離れるとお手上げだが、bravoの「クラウドGPS」があれば、外出先でも役に立つ。
周囲のユーザーが無意識に落とし物探しに協力?
クラウドGPSは、bravoを所有するユーザー同士が連携して落とし物を探すというアイデアをベースにしたサービスだ。落とし物をしたユーザーのアプリが繰り返しGPS情報を更新して、他のユーザーが落とし物の30m以内に近づいてbravoのGPS信号をキャッチしたらその情報を知らせてくれる。先行するアメリカなど海外では、既に350万台のbravoが販売されているらしい。
ユーザーが連携するとbravoの活用エリアは格段に広がる。製品を開発したTrackRは「ペットのペンダントに装着しておけば迷子も防げる」としているが、確かにオモテで自由に遊び回る外ネコ系ペットには身に着けさせる価値がありそうだ。また、bravoの本体背面は両面テープも装着しやすいようフラットになっているので、例えば自転車にも取り付け可能だ。万が一、盗難にあった場合も発見できる可能性がある。
今回、筆者もクラウドGPSの実力を試すため、落とし物の場面をシミュレーションして、自宅にbravoを置いて外出先からアプリで捜索してみた。アプリを起動すると、現在「近くに2677のGPSユーザーがいる」と表示される。これは心強いと頼りにしながらしばらく探索モードを走らせてみたが、なかなかbravoの現在位置が確定しない。考えてみれば、日本での本格展開はこれから。GPSに表示されたユーザー数は準備段階の仮データ(デモ用データ)なのかもしれない。
それはともかく、無事に探索ができた後は、落とし物までの道順もアプリの地図に表示できるようだ。本機能についてはbravoの国内普及をもう少し待ってから、あらためて精度をチェックしてみたい。
ただ、そもそもクラウドGPSの精度向上がbravoユーザーの人数と分布に依存してしまうのは心許ないように感じる。bravoが大勢のユーザーに普及すれば話は別だが、それを待つばかりではなく、もし完璧なクラウドGPSサービスを追求するのであれば、例えば国内販売を担当するソフトバンクと協力し、普段から人が多く集まり、落とし物もよく発生しがちな駅やカフェなどにbravoのネットワークをあらかじめ拡散しておくことも大事だと思う。ぜひ検討してもらいたい。
クラウドGPSが普及すれば、キーホルダーにも簡単に取り付けられてスタイリッシュなbravoはかなり便利に使えるはず。幼い子どもなど家族の見守りツールなど、さまざまな可能性を秘めたアイテムだと思う。
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