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» 2007年08月22日 23時01分 公開

「日経平均株価は1万6779円に回復する」というシナリオ

米国のサブプライムローン問題で、世界の金融市場が大荒れとなった。日経平均株価が2カ月で3000円ほど下げた中、松井証券のマーケティング部が今後の展開を分析した。

[土肥義則,Business Media 誠]

 7月末から8月中旬にかけて、世界中の金融市場が大荒れとなり、日本の株式市場と為替も大きな影響を受けた。この1週間の株価動向を振り返った。

 米国のサブプライムローン(低所得者層向けの住宅ローン)問題(4月4日の記事参照)に端を発し、8月15〜17日の日経平均株価は大幅に下落した。さらに円高が進行、一時111円台となり、企業の収益悪化を懸念して売りが多かった。この結果、3日連続で年初来安値(年初から現在までで最も安い株価)を更新し、8月17日の日経平均株価は前日比874円81銭安の1万5273円68銭で引けた。6月20日につけた下落前の高値1万8297円から、2カ月ほどで3000円以上の下げ幅となった。

 世界同時株安に歯止めをかけるため、米連邦準備理事会(FRB)は公定歩合を0.5%引き下げた。この発表により株を買えば上がりそうという期待が広がり、ニューヨーク株式市場の株価は上昇した。東京株式市場も8月20日、21日と株価は上げたものの、買いの勢いは続かず、22日は前日比70銭安となった。

 サブプライム・ショックと円高(114〜115円台、8月22日現在)で株式相場が揺れ続ける中、今後の展開はどうなるのか。松井証券マーケティング部の土信田雅之氏(どしだまさゆき)は「方向感が乏しく、しばらくもみあいが続くだろう」と見る。しかし9月中旬の日経平均株価は、「1万6500円〜17000円に回復するだろう」と予測。日本の株価が上昇するには、米国の動きが鍵となりそうだ。

サブプライムローン問題が長引けば、再び年初来安値も懸念

松井証券マーケティング部の土信田雅之氏

 これまで日経平均株価が堅調に推移してきた理由としては、米国の好景気による所が大きい。だが、サブプライムローン問題によって、株価下落の大きな要因となった。「米国の低所得者向けの住宅ローンによって、ここまで日経平均株価が下げたことについては“予想外”だった。(サブプライムローンは)単なる住宅ローンの問題ではなく、証券化されて金融市場に出回っており、実態がつかみにくく、どこまで被害が及ぶかが見えにくいことが相場を不安にさせている」と話す。ただ、サブプライムローンの損失額が金融機関を中心に明らかになりつつあるため、相場の不安は払拭されそうだという。

 もしサブプライムローン問題の実態が明らかにならず、米国の景気が予想以上に悪化すれば、円高・株安が進む懸念が大きくなる。そうなると再び、日本株に与える影響は大きい。「日経平均株価は再び8月17日につけた安値(1万5262円)に近づき、ダブルボトム(同じような水準の安値を2回つけること)を形成する動きを見せる可能性が高い」と分析する。

米国の金利引き下げで、日本株は上昇か

 もう1つの課題は為替だ。日本株は円安によって、企業業績の上方修正を期待している動きがあった。「もう少し円安が進まないと、積極的な買いにはつながらないだろう」と見込む。

 9月18日に開かれる米国のFOMC(Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)の政策金利の結果が、日本の株価にも大きな影響を与えそうだ。「金利が引き下げられると、日本との金利差が縮小することで、円高になるという見方もあるが、それよりも米国の好景気が継続すると見たほうが自然であろう。そうなれば投資家の間で期待が広がり、日本株が上がる可能性が出てくる」というシナリオだ。

 過去に大きく下げたケースと、今回の株価は同じような動きをするのではないかと見ている。例えば今年3月の大幅下落でも、一旦半値戻しの水準まで回復し、しばらくもみ合った後、再び戻りを試す展開となった。サブプライムローン問題の実態が明らかになったとすれば「9月中旬の日経平均株価は、6月20日の高値1万8297円と8月17日の安値1万5262円の中間、つまり1万6779円に戻すだろう」と予測する。

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