グリーンカードを入手するもっとも簡単な方法

» 2007年11月19日 00時00分 公開
[富永ジュン,Business Media 誠]

 「米国が大好き」「米国で学びたい/働きたい」「リタイア後は米国で暮らしたい」――。こういったことを考えたことがあるのなら、米国の永住権、通称「グリーンカード」のことを一度ぐらいは耳にしたことがあるだろう。

 米国での労働や長期間滞在にはビザ(入国査証)が必要だが、ビザによる滞在は期間が決められていたり、さまざまな条件や制限事項が発生したりと不便が多い。しかし、永住権があれば元から持っている国籍を保持しながら期間を制限されることなく、米国の国籍保有者と同じように米国に在住したり、学校に通ったり、労働したりということができるのだ。

 米国の国籍保持者とは異なり参政権がない一方、国籍保有者向けの年金制度や奨学金制度などは利用できる。また、納税や徴兵などの義務が生じるなど、限りなく国籍保持者に近い状態で生活が可能となる。

抽選でグリーンカードが“当たる”

 さて、この永住権、通常は米国国籍保持者、あるいは永住権保持者との一定期間以上の婚姻関係やスポンサー企業による申請、100万ドル程度の投資・起業などが取得申請の条件となっている。しかし、これらの方法以外に簡単、かつ限りなくゆるい条件で永住権の申請資格を入手できる方法がある。それが、年に1度だけ行われる「Diversity Immigrant Visa Program(移民多様化ビザ抽選プログラム)」、通称「DVプログラム」だ。

 DVプログラムでは、抽選で無作為に選ばれた応募者に永住権申請の資格が与えられる。昨年は、333人の日本国籍保持者がDVプログラムを通じて申請資格を入手した。応募条件はたった2つのみ。対象国の国籍を保有すること(日本はこれまでのすべての実施年で対象国に含まれている)と高等学校卒業、または同等程度の学歴を持つことだ。

 応募方法はオンラインフォームに氏名、生年月日、性別、本籍、現住所などを英語で記入し、顔写真のJPGファイルをアップロードするだけだ。なお、顔写真のサイズは320(高さ)×240(幅)、その点だけは細心の注意を払おう。もちろん応募は無料だ。

 2007年のDVプログラムの応募期間は、米国東海岸時間の10月4日0時から12月3日0時まで(日本時間10月4日14時から12月3日14時)。当選者には2008年5〜6月ごろに書面で、申請に必要な書類などが送付される。

グリーンカード 在留期間が限定されない
就労・就学が自由にできる
米国籍保持者向けの社会保障制度などが利用できる
元から持っている国籍を保持できる
米国での参政権がない
1年のうち一定期間以上(厳密な期間の規定はない)米国に滞在する必要がある

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