環境問題に対する意識や行動は、国によってどれほどの違いがあるのだろうか。東京在住の人は「地球温暖化への危機感」(88.4%)や「経済発展より環境保護を優先」(90.2%)の回答が世界8都市でトップになるなど、危機感を抱いている人が多いようだ。しかし「地球環境に配慮した行動が日常的な習慣になっている」(58.4%)は最下位、「地球温暖化防止のために便利な生活を犠牲にしたくない」(41.6%)がトップになるなど、環境問題を意識しながらも生活を犠牲にしたくないという“ジレンマ”に陥っていることが、博報堂生活総合研究所の調べで分かった。
このほか東京の生活者の特徴ともいえるのが、知識・理解不足だ。「地球温暖化のためにやるべきことを理解している」(56.2%)「自分の生活が地球環境に与える影響を理解している」(60.8%)はいずれも平均を大きく下回るなど、「東京在住の人は地球温暖化と自分の生活の関係の理解が不十分で、日常習慣化という面では他の都市に遅れをとっている」(博報堂生活総合研究所)という。
インターネットによる調査で、東京、ニューヨーク、トロント、ロンドン、フランクフルト、パリ、ミラノ、モスクワに在住する20歳から59歳までの男女2600人(東京500人、そのほかの各都市300人)が回答した。調査時期は2008年3月。
東京在住の人は世界平均と比べ、環境に配慮した行動が習慣化できていないようだが、具体的にはどのような行動が挙げられるのだろうか。「自分が住んでいる地域でとれる食材を購入する」(平均と比べ−34.3ポイント)は最も平均を下回り、地産地消が難しい状況であることを示した。また「エコマークなどが付いた商品の購入」(同−13.6ポイント)「環境に配慮している企業の商品を購入」(同−12.6ポイント)など、地球環境に配慮した消費は平均以下であることが浮き彫りになった。
一方で習慣化されているのは「ゴミの分別」(同11.9ポイント)「古紙などのリサイクル」(同8.8ポイント)など。ゴミの分別とリサイクルは世界トップレベルだった。
ちなみに、世界8都市の生活者のうち80.9%は「地球温暖化が進行していることに危機感」を抱いている。74.4%は「自国は経済発展よりも環境保護にもっと目を向けるべき」、84.1%は「地球環境のためには多少不便な生活も我慢できる」と答えており、“多少の不便は我慢しても、環境に優しい生活を送るべき”と考えている人が多数派であることが分かる。
また「地球環境保護のために手間やコストをかけても貢献したい」(87.7%)、「地球環境の保護の活動を実行している」(82.3%)と、実際に実行に移している人たちが8割以上いる点にも着目したい。
以上の9つは、「実行している」と答えた人が、いずれも8都市平均で8割を超えたもの。自分は生活のなかでこれらの行動が習慣化しているか、改めて振り返ってみるのも良いかもしれない。
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