誰もが認める美人より、磨けば光る子を探せ――山崎元VS. 山口揚平の投資対談(前編)分散投資特集(2/2 ページ)

» 2008年07月31日 07時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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投資教育に取り組む理由

山口 山崎さんはファンドマネージャーとして長く活躍されてきて、現在は経済評論家以外にも投資教育など幅広く活動されています。どういった思いで始められたのでしょうか?

山崎 ファンドマネージャーという人のお金を運用する仕事は、ハッタリと矛盾を含んでいます。例えば「確実に儲けられるのなら、自分のお金で運用すればいいじゃないか」という考え方があります。一方で、うまく運用できなければファンドマネージャーのプロとして仕事をしていく意味がありません。この微妙なすき間のようなところで、仕事をしているのがファンドマネージャーなのです。基本的にはお客さんのために運用しているわけなので、自分の商品を売るためにごまかすのはよくありません。

 「インチキはつまらないもの。ハッタリやごまかしがあったら人に教えてあげなければならない」。こういった自分なりの正義感があって、気付いていない売り手や買い手に教えていくのも“使命”の1つとして考えています。

山口 山崎さんの正義感によって、啓蒙的な活動が生まれているのですね。

山崎 株式投資をするということは企業の価値に注目するということ。これは当たり前ですが、これまできちんと説明されてこなかった。ファンドマネージャーの仕事をしていた関係上、個人投資家向けの書籍をたくさん読んできたが、あえていえば「読んでもムダ」。株価チャートの見方などを勉強するのではなく、多くの人は「企業の価値はどういうものだ?」ということを理解する必要があります。

 分散投資をすれば、集中投資に比べどれくらいのメリットがあるのか? 漠然としたものではなく、具体的な数字で示せるような知識を身につけることができれば、マーケットも現在の状況と違って少しはよくなるでしょう。例えばマネー誌などで「チャート特集」や「株主優待特集」といった内容がなくなれば、もっと個人投資家の質は向上するのではないでしょうか?

 中編へ続く。

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