クリックで設計できる間取りは、2LDK+軒下空間+マルチスペース+屋根裏収納で、20〜25坪を贅沢に使える&イマドキの使い勝手が考慮されたプランになっている。キャッチコピーには“ふたりを愉しむ。自然を愉しむ。”とあるが、マルチスペースなどの使い方次第で、親子3人くらいであれば、十分住めそうである。
進め方は、簡単に説明すると以下の通りだ。
ベースタイプは坪数を選択する。細かい間取りの変更やインテリアのチョイスといったトータルなコーディネートを自分で考えるのが大変そうだと思う場合は、デフォルトで3つのタイプが用意されているのでそれを選択するといい。“海岸の家”“高原の家”“街の家”の3つである。
実際に試してみたが、間取りについてはエリアごとのカスタマイズができる程度で、大幅な変更はできない。またインテリアや、キッチン、浴室、洗面、トイレなども、おおむね2パターンから選択できる程度で、それ以上のバリエーションは用意されていない。
シミュレーションした内容を保存したり、資金計画のシミュレーションや正式な見積もりを申し込むには、会員登録をする必要がある。また正式な見積もりには10万5000円かかるので、それなりの覚悟と本気が必要だろう。
サイトを拝見した上での想像だが、正式な見積もりを作ってもらうあたりで営業の人とご対面、というシナリオであろう。ミサワホームの狙いとしては、カタログ情報を単に見てもらうのでは面白くないと思うので、シミュレーションというコンテンツにしてみました、というところではないだろうか。
本記事の冒頭で、ネットが時代や人の考え方を変えたと書いたが、住まい関連の購買行動で全てをネットで済ませるというのは基本的に難しい。「サイトで情報を見ただけで現物を見ずに高級マンションを購入した人がいる」などという話はまことしやかに語られているが、少なくとも私はオススメしない。現物は見たほうが良いし、営業マンとは顔を見て直接話をしたほうが良い。検討のプロセスで得られる情報量が圧倒的に豊富だからだ。前出のオークションサービスも、入札金額での交渉権が手に入るというオークションなので、実際には現物を見てオーナーと話をしてみることをオススメする。
ちなみに私は20代のころ、若気の至りで現物を見ずに賃貸物件の賃貸契約を結んだことがある。案の定失敗だった。ドアの建て付けが悪く、しかも階下はカラオケスナック。さらにはゴキブリに悩まされ、2年を待たずに引っ越す羽目になった。
インテリアや小物をネットで買うのならともかく、住まい関連はよほど技術が進まない限り、ネットで全て済ませるという時代は来ないのではないだろうか? しかしその一方で、驚きの調査結果もある。ユーザーの2割以上が訪問見積もりなしで引越し見積もりを済ませているというのだ(参照リンク)。
“人の意識の変化=時代の変化”ということか。そして、時代が変わればビジネスのあり方も変わる。住宅の世界もそれは同じ――そんなことを考えさせられる、ミサワホームの“クリックで建てる家”なのだった。
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