病気への関心は高いが、予防意識は低い“脳卒中”

» 2008年08月04日 16時22分 公開
[Business Media 誠]

 日本人の死亡原因の第3位といえば脳卒中。厚生労働省が発表した「平成17年患者調査」によると、総患者数は約137万人に達している。脳卒中になると一命を取りとめたとしても、言語症などの後遺症や介護などにかかる経済的な負担があるため、予防を心がけた生活を送ることが重要だといえるだろう。

 脳卒中にかかりやすいと思われる病気を聞いたところ、94.2%の人が「高血圧」と回答。危険分子として高血圧の認知度は最も高かったが、自分が高血圧だという診断結果を受けても、38.0%の人が医療機関を受診しておらず、脳卒中の予防意識は高くないことが、ファイザーの調べで分かった。

 またLDLコレステロール値、血糖値の結果が正常範囲より高かった人を対象に「検査結果を受けて医療機関に行ったか」と聞いたところ、LDLコレステロール値の高かった人で57.8%、血糖値の高かった人で38.9%が「いいえ」と回答した。特にLDLコレステロール値の高かった人は、医療機関を受診していない傾向がうかがえた。

 インターネットによる調査で、全国の40歳以上の男女4700人(47都道府県各100人、男女各50人)が回答した。調査期間は4月10日から4月11日まで。

脳卒中に対してどのようなイメージがありますか?

医療機関に行かなかった理由

 医療機関に行かなかった人にその理由を聞いたところ、最も多かったのは「生活習慣(食事、運動、禁煙など)を変えることによって改善しようと思ったから」だった。しかしこれらの人に「実際に生活習慣を変えましたか?」と尋ねると、「変えた」と回答した人は50.9%と約半数にとどまった。このほか医療機関に行かなかった理由として「自覚症状がなかったから」「通院する時間がなかったから」「治療費が高いと思ったから」などがあった。

 脳卒中に関して、どのような病気であるかを知っている人はどれほどいるのだろうか。71.3%の人が「だいたいどのような病気か知っている」と回答。地域別に見ると、「秋田県」が最も多く85.0%、次いで「福島県」(82.0%)、「鹿児島県」(81.0%)で、逆に最も低かったのは「兵庫県」で35.0%。

 日本脳卒中協会の山口武理事長は「高血圧、高LDLコレステロール、高血糖は動脈硬化の最大の原因であり、放置しておけばやがて脳梗塞を引き起こす危険性がある。多くの人は自覚症状がなくひそかに進行していくため、まずは健康診断などの機会に自分の検査値を確認し、異常値であれば医師の診察を受け、数値を正常範囲内に維持することが大切」という。

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