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暗号資産「20%分離課税」の展望は? 片山さつき財務大臣が語ったデジタル金融改革

» 2026年02月25日 07時00分 公開

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学研が挑む"真のDX"──「本当に使われるデジタル」で目指す教育価値のバリューアップ

【開催期間】2026年1月27日(火)〜2月25日(水)

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【概要】学研グループは、DXを目的化するのではなく、現場と顧客にとって“本当に使われるデジタル”を出発点に教育価値のアップデートに挑戦しています。本講演では、現場で浮き彫りになった課題や、実際に行ってきた改善や仕組みづくり、そこで得られた知見がどのように学研のDX推進を形づくんできたのかをお伝えします。既存のデジタル活用の成果と学びを振り返りながら、学研が目指す“真のDX”の姿をご紹介します。

 高市政権は「未来への投資」を旗印に、日本を成長軌道に乗せるための産業・財政・経済政策を積極的に推進している。政府はAIやWeb3をはじめとするデジタル技術をフル活用した経済活動の拡大を目指しており、デジタル分野における国際競争力の強化を、日本の重要課題の一つと位置付けている。

 とりわけ重視するのが、金融とデジタル技術の融合だ。この融合は、日本の成長戦略を加速させる上で不可欠な領域としており、2026年を「日本市場のデジタル元年」と位置付けている。

 片山さつき財務大臣兼金融担当大臣は、2月17日に都内で開かれた「Digital Space Conference 2026」の基調講演に登壇。金商法移行を柱とするデジタル金融改革の方針や、これまで決済手段として「雑所得」扱いされてきた暗号資産の課税20%化について説明した。

2月17日に都内で開かれた「Digital Space Conference 2026」の基調講演に臨む片山さつき財務大臣兼金融担当大臣(撮影:河嶌太郎)

片山財務大臣が見たデジタル金融の最前線 「トランプ政権は本気」

 片山財務大臣は冒頭、「高市内閣では前向きな産業政策、財政政策、経済政策に取り組んでおり、私は財務大臣兼金融担当大臣として責任ある積極財政を担っている」と話し、デジタル分野での積極的な政策推進を強調した。

 この方針を後押しするのが、デジタル金融分野の世界的な動向だ。米国ではトランプ大統領が、2025年1月の就任式で大統領令を発し、デジタル金融技術における米国のリーダーシップ強化を鮮明に打ち出した。片山財務大臣もその就任式の場に居合わせており、「本当にやる気だな」と確信したという。その後、米国証券取引委員会のポール・S・アトキンス委員長ら関係者との会談でも、片山財務大臣はトランプ政権の本気度を直接確認したと話した。

 トランプ政権は同年7月、ステーブルコイン規制法案を成立させた。法定通貨と連動した価格安定型の暗号資産であるステーブルコインへの規制の枠組みが明確化したことで、暗号資産の市場は着実に拡大している。

 欧州でも2024年、暗号資産への共通規制であるMiCA(Markets in Crypto-Assets Regulation)が完全施行され、国際的な規制の整備は前進した。こうした世界の潮流を踏まえ、高市政権はデジタル経済の拡大に向けた政策と制度整備を加速させる構えだ。

暗号資産「最大55%の総合課税」→「20%の申告分離課税へ」

 日本政府は、世界に先駆けて暗号資産やステーブルコインの制度整備を進めてきた。デジタル金融分野のイノベーションの実現と、市場の健全な発展を両立させるため、利用者や投資家が安心して取引できる環境を整備する方針だ。

 その手段として、暗号資産の規制の根拠法令を、資金決済法から金融商品取引法へと移行する制度改正を検討している。これまで暗号資産は主に決済手段として位置付けられ、資金決済法のもとで規制してきた。

 しかし足元では投資対象としての性格が強まっており、政府は金融商品としての実態に即した規制体系への転換を求めていた。片山財務大臣は「暗号資産の取引による利用者保護の充実を図るための検討を行う」と述べ、制度改正案をできるだけ早期に今国会へ提出することを目指すと明言した。

 ハッキングによる暗号資産流出という現実の脅威にも、正面から向き合う構えだ。セキュリティの確保は制度整備と不可分の課題であり、業界団体との連携のもとで実効性ある対応を講じていく方針を示している。課税の在り方についても「市場の健全な発展に向けた重要な検討課題」としており、議論を深めていく見通しだ。

 片山財務大臣は、課税面でも政府の踏み込んだ方針を打ち出し「令和8年度税制改正大綱」で、暗号資産取引への課税見直しを明示した。

 これまで暗号資産による売却益は、雑所得として最大55%の総合課税を適用していた。これを、一定の暗号資産取引については20%の申告分離課税へと移行する方向性を示している。この税制改正は必要な法令改正を経た上で、改正施行の翌年からの適用を予定しているという。

金融庁に「デジタル金融専門セクション」誕生 主導権を奪還する国家戦略

 政府はこうした一連の取り組みを踏まえ、2026年を「日本市場のデジタル元年」と位置付けている。片山財務大臣は「可能性や選択肢を一切狭めることなく、先陣を切っていけるようなしなやかさとスピードを持って対応していくことが重要」と述べ、国際競争における主導権確保への強い意志を示した。2025年には国内でのステーブルコインの取り扱いと円建てステーブルコインの発行が始まり、デジタル金融の実用化は着実に前進している。

 金融庁は2025年末に、ブロックチェーン技術を活用した決済トークン化を支援する「PIP」(決済コード化プロジェクト)を立ち上げた。2026年夏には、暗号資産やステーブルコインを含むデジタル金融領域を専門に扱うセクションを新設し、関連部局の体制を拡充する。この予算措置はすでに認められており、政府の本気度が体制面でも裏付けられた形だ。

 政府は国際的な潮流に遅れることなく、世界に肩を並べる市場づくりを目指す姿勢を鮮明にしている。今回の講演で片山財務大臣が強調したのは、制度整備や税制改正といった政策の方向性にとどまらず、産業界との連携そのものの重要性だ。

 高市政権はデジタル金融分野において、規制整備・課税見直し・体制拡充という三位一体の政策を矢継ぎ早に打ち出している。2026年を「デジタル元年」と定めた高市政権が、いかにしてデジタル金融を変えていくのか注目だ。

「2026年をデジタル元年にする」と宣言した片山さつき財務大臣

【イベント情報】学研が挑む"真のDX"

学研グループは、DXを目的化するのではなく、現場と顧客にとって“本当に使われるデジタル”を出発点に教育価値のアップデートに挑戦しています。本講演では、現場で浮き彫りになった課題や、実際に行ってきた改善や仕組みづくり、そこで得られた知見がどのように学研のDX推進を形づくんできたのかをお伝えします。既存のデジタル活用の成果と学びを振り返りながら、学研が目指す“真のDX”の姿をご紹介します。

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