山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
京都市は、市民と市民以外で市バス運賃を分ける「市民優先価格」の導入を検討している。現在の均一料金区間の大人運賃は230円だが、市民は200円に引き下げ、市民以外を最大2倍の価格差となる350〜400円とする案だ。
市バスの主要路線は観光客で混雑しており、市民にとって利用しづらい状況が続いている。加えて、人件費や物価の高騰などが利益を圧迫しているため、値上げによって収支を改善させる狙いだ。国内の公共交通機関で「二重価格」を導入した事例は過去になく、京都市が先行事例となりそうだ。
新幹線で京都駅に到着した観光客は、主に市バスを使って清水寺や金閣寺などの観光名所を巡る。四条烏丸や河原町周辺といったオフィスや商業の中心地に向かう場合は、市営地下鉄の烏丸線が便利だが、地下鉄は京都御所を除いて人気の観光名所をほとんど通っていない。
Googleマップで京都駅を起点に各名所までの経路を検索すると、市バスのルートが表示されることが多い。そのため、訪日外国人も市バスを利用することになる。
しかし、オーバーツーリズムが問題になっている。京都駅や観光名所周辺のバス停には、観光客を中心とした長い列ができ、バスが到着しても混雑ですぐに乗れない事態が発生している。関西圏ではJRと私鉄間の乗り入れが限定的で、地下鉄は京都駅や四条烏丸など中心地から放射状に広がっていない。そのため、多くの市民は混雑していても市バスに頼らざるを得ないのだ。
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