観光客向け運賃の引き上げは、客数減少を狙ったというより、市バスの収支改善を目的としたものだ。運賃を倍にしても観光地に向かうための代替手段はなく、タクシーより割安であることから、観光客は値上げ後も市バスを利用するだろう。
一部報道によると、人件費や燃料費の高騰に加え、一部区間の増便といったオーバーツーリズム対策費も利益を圧迫しているという。二重価格の導入には、こうしたコストを補填する狙いがある。
市バス事業は2023〜2024年度に経常黒字となったが、2025年度は1億円の赤字を見込む。市バスを運営している京都市交通局は、地下鉄事業を含めて3000億円を超える企業債残高を抱えている。
近年、定期外利用を中心に市バスの利用者は増えたが、大人運賃は2014年に220円から230円に改定した後は変化しておらず、収益改善が急務だ。また、主要路線が混雑する一方、2024年度の実績では全83系統のうち59系統が赤字だった。約7割での系統で、100円の収入を得るために必要な費用が100円を上回っている。
二重価格の導入に関して市はオーバーツーリズム対策をアピールすることが多いが、赤字を観光客に補填してもらいたいのが本音だろう。混雑で市民の不満が高まるなか、一律値上げでは大きな反発も予想されるためだ。
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