時給で見る、どんなところに住むかという考え方山崎元の時事日想(2/2 ページ)

» 2008年12月11日 07時00分 公開
[山崎元,Business Media 誠]
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時給で考える立地

 立地については、若いビジネスパーソンには職住近接の立地を強くお勧めしたい。例えば会社から30分なのと1時間なのでは、仕事上の利便性が大いに異なる。たとえば、時給3000円のビジネスパーソンであれば、往復で1時間の差は、月間の出勤日数を20日として月6万円の価値の差があると考えてみるといい。つまり、家賃が6万円高くてもいいから、会社の近くに住む価値があるということだ。

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 実際には、会社は社員個人から時給以上の生産性を得ているはずだし、個人の側でも「1日1時間」を勉強に振り向けるにしても、余暇として利用するにしても、将来への「投資」に使えるから、通勤の時間差の価値は、これを時給で換算したよりも大きいはずだ。若いころの勉強は、将来の仕事の能力に大きな差をもたらす。

 通勤時間を勉強などに、効果的に使う方法が全くないわけではない。筆者も、やや通勤時間のかかる立地条件だった時に、原稿のゲラのチェックには通勤電車がちょうどいいと思ったことがあったが、これは筆者が電車に乗る時間帯が比較的空いていたからだ。勉強のためにわざわざ電車に乗る人が少ないことから考えても、通勤を短縮して勉強時間を浮かせると考えた方がいいだろう。

資産として考えれば、土地付一戸建て

 マンションか一軒家かは、主に将来住居を買う場合の問題だが、マンションの場合将来の補修や建て替えに当たっては、かなりの面倒が発生することがある。リニューアルしたいと思っても居住者の意見がまとまらないときもあるし、立て替えに大きな費用が掛かる可能性もある。マンションの場合、20年後、30年後の実質的な資産価値はゼロだというくらいに考えておきたい。老朽化するのは一軒家も同じだが、一軒家の場合、土地の価値は資産価値として残る。

 またマンションの場合、土地は狭い面積の区分所有権があるだけで、売却できるような資産としては考えにくい。筆者は、ライフスタイルとしては、都心のマンション暮らしが好きなのだが、家を資産として考えるなら、断然土地付きの一軒家だろうと考えていることを付記しておく。

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