トヨタ自動車、59年ぶりの最終赤字見通し――販売不振で今期3度目の下方修正

» 2009年02月06日 17時15分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 トヨタ自動車は6日、2009年3月期の連結業績予想を下方修正すると発表した。営業損益は4500億円の赤字、純損益は3500億円の赤字になる見通し。今期3度目の下方修正で、2008年12月22日に下方修正した見通し(営業損益1500億円、純利益500億円)からさらに引き下げた。「最終赤字となるのは59年ぶりのこと」(同社広報部)。売上高は前期比20%減の21兆円と従来予想を5000億円下回る見込み。

2009年3月期通期連結業績予想数値の修正(2008年4月1日〜2009年3月31日、出典:トヨタ自動車)

 営業損益を3000億円引き下げた内訳は、販売面での不振が2100億円で、為替(円高)による影響が900億円。北米を中心に全世界で販売台数が減少しているため、連結販売台数の通期見通しを従来予想の754万台から732万台に引き下げた。「来期の販売計画はまだ立てていないが、732万台を超えることは難しいのではないか。為替も現行の1ドル90円の水準が続くと厳しい。ただ、原価改善や固定費削減の効果が出つつあり、原材料価格も下がってきているのはプラス要因と言える」(木下光男副社長)

2009年3月期連結販売台数見通し(出典:トヨタ自動車)

 今後の収益を改善させるために、短期的には商品ラインアップの拡充、中期的にはハイブリッドカーやコンパクトカーなどの開発、資源国・新興国向け商品の充実に努める。また、さらなる原価低減に取り組むほか、設備投資や開発費、労務費などの固定費を10%削減する。

 「既存工場の閉鎖については一切考えていない。現在は国の内外に74本ある生産ラインのうち27本を(昼夜2交代制度の「2直」から昼間勤務だけの)1直にして生産能力を6分の1に落としている。ワークシェアリングで、正社員の雇用を守るべく最大限の努力をしたい」(木下光男副社長)

会見で説明をした木下光男副社長

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