FeliCaやおサイフケータイの「UI (ユーザーインタフェース)としての活用」も、積極的な展示や提案が見られた分野だ。特に今回は「デジタルサイネージ」と、ケータイやネットサービスを連携させるツールとして、おサイフケータイ活用が行われていた。
例えば、丸紅情報システムズのブースでは、おサイフケータイと連携するCRMソリューション「rapi NAVI(ラピナビ)」を展示(参照記事)。このシステムの導入事例が多数紹介されていたほか、表示灯が福岡・天神に設置したおサイフケータイ連携型のデジタルサイネージ「ナビタッチ」(参照記事)などが展示されていた。
他にも、ソニーのブースでは簡易型の「FeliCa Lite」やFeliCaトークンを用いて、デジタルキオスクやPC上のソフトウェアと連携する展示が豊富に行われていた。なかでもユニークだったのは「FeliCaランチャー」という新サービスで、これはPCに内蔵されたFeliCaポートやPaSoRiにFeliCaをかざすと、目的のアプリやWebサイトを起動させることができるというもの。デモンストレーションではFeliCa Liteを埋め込んだ初音ミクのフィギュアをPaSoRi(参照記事)にかざすと、初音ミクの動画を見ることができるというものだった。FeliCaを読み取れるPCはここにきて増加しているため、将来的にはデジタルコンテンツの配信サイトやWebサービスへの誘導/認証にFeliCaの技術が利用できそうである。
UIとしての活用は「リアル連携」のみにとどまらない。
フェリカネットワークスのブースでは、おサイフケータイで認証を行うDRM管理の提案や、最近人気のネットゲームでの認証機能としての利用なども展示されていた。
特に筆者が注目したのは前者のDRM管理の利用だ。これは超流通モデルとおサイフケータイの認証機能を組み合わせることで、複数のデジタル機器で柔軟なDRM管理ができる。サブスクリプション型の課金モデルとの相性がよく、実現すれば音楽・映像コンテンツ配信サービスが今以上に利用しやすくできるだろう。
2001年の「Suica」や「Edy」登場から本格化したFeliCaの歴史は、交通と電子マネーを軸に“非接触IC(FeliCa)が社会インフラ化”していくというものだった。それが一段落した今年は、FeliCaが特定の分野に限らず、生活全般の様々なシーンで使われるようになる。
2010年以降は、生活すべての領域におけるICTサービスの浸透や、ネット=リアル連携型のサービスやビジネスが急速に広がっていく。その中で、FeliCaをはじめとする非接触IC技術の活用と応用は、とても重要なものになりそうだ。
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