部屋にアートがある生活はいかが? バンダイがアーティストとのコラボ玩具を発売

» 2009年04月08日 18時59分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
「A.i.R. Project 青の軌跡」のサイズは高さ85ミリ、横幅260ミリ、奥行き260ミリ(横置き時)。重さは1.7キログラム

 現代アートの展示会などで気に入った作品を見て、「購入したいなあ」と感じたことはないだろうか? しかし実際には価格が高かったり、非売品であったりして、断念しなければならないケースも多い。

 日常生活の中で好きな作家の作品を楽しみたい――。そんなニーズに応える形で、バンダイは4月8日、アーティストと共同で玩具を開発するプロジェクトを立ち上げ、その第一弾として「A.i.R. Project(エアープロジェクト) 青の軌跡」を4月下旬に発売すると発表した。価格は5万2500円。

 A.i.R. Projectとは「Art in the Room」の頭文字を組み合わせたもので、生活空間の中にアート商品を提供していくというプロジェクト。A.i.R. Projectの企画開発を担当する近藤創氏は「(プロジェクトでは)アーティストとの共同開発や作品のダウンサイジングなどを手掛けている。絵画などをダウンサイジングするのではなく、驚きや不思議さを持ち合わせた作品を商品化していきたい」とし、今後は若手アーティストの発掘などにも力を入れていくという。

“面白い”作品に仕上がった

鈴木太朗氏の「青の軌跡」は約1メートル四方の盤面に、49個の正方形の穴が並んでいる

 今回、A.i.R. Projectで商品化されたのは、メディアアーティスト鈴木太朗氏による「青の軌跡」という作品だ。部屋のインテリアとして楽しめるように、約16分の1のサイズにダウンサイジング。本体には16個のLEDを敷き詰め、25個の正方形の穴にプロペラを設置した。そのプロペラが生み出す風によって柔らかい布が押し上げられ、数十パターンの光の模様を見ることができる。またタイマーをセットすれば、毎日同じ時間に光の演出を楽しめるほか、インテリアのレイアウトに合わせて、縦置きも可能だ。

 2003年に発表された「青の軌跡」は芸術科学会DiVA展大賞を手にしたほか、平成15年度文化庁メディア芸術祭アート部門奨励賞を受賞。実物は約1メートル四方の盤面に49個の正方形の穴が並んでおり、人が近づくとその方向に光が寄っていくというもの。

 商品化にあたって、最も苦労したのは「ダウンサイジングすることによって、モーターや羽など、1つ1つを見直したこと」(近藤氏)。サイズを16分の1に縮小するということで、最初は部品も16分の1に設計。しかし風の流れが変わったり、空気がうまく抜けなかったり、と試行錯誤を繰り返したという。玩具に生まれ変わった「A.i.R. Project 青の軌跡」について、鈴木氏は「(今まで自分が作った作品を)日常生活に取り入れることはできなかった。これまでにない光の動きをしているので、面白い“作品”に仕上がっている」と話した。


 バンダイでは「A.i.R. Project 青の軌跡」のターゲット層を30代以上の男女としており、販売目標は2009年12月末までに6000個。インテリアショップのBALS TOKYOまたはIDEEのほか、Web上でも限定販売している。

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