5月19日、NTTドコモが2009年夏モデルとなる合計18機種を発表した。
詳しくはニュース記事に譲るが、今回の新機種発表は2008年の冬商戦からスタートした4シリーズ化の第2弾となるもの。国内初のAndroid採用モデル「HT-03A」や、映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」連動の企画モデル「ヱヴァンゲリオンケータイ」を投入するなど、注目度の高いものだった。
キャリアの支持率とも言える解約率を0.5%まで抑え、業界最大シェアを持ちながら鉄壁の守りを固めるドコモ。その2009年夏モデルでの姿勢や戦略はどのようなものか。今回のMobile+Viewsでは、それらについて考える。
周知のとおり、ドコモは昨年の冬商戦から90x/70xの2シリーズ制を廃止。ハイエンドグレードとスタンダードグレードというヒエラルキー型ではなく、ターゲットとするユーザー層やニーズに合わせて各モデルを分散配置するクラスター型のラインナップを構築している。今期はこの4シリーズに、企画モデルを含めて18機種を配置した。
まず全体的なラインアップの状況だが、初の4シリーズ構成となった昨年冬商戦では、各製品にやや90x/70xシリーズの残滓が残っていたものが、今期ではそれらが薄まり、各シリーズのコンセプトに“ピタリとはまる”内容になっていた。
各モデルの重複感もほとんどなくなり、「1人1人のお客様の声に応えた」(NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏)という言葉どおりの全方位ラインアップになっている。少し言葉は悪いが、その構成はまるでショットガンのようであり、ユーザーは4シリーズ内のいずれかのモデルで納得できるようになっている。キャリアとしての資金力が豊富で、既存ユーザー数が多いドコモならではの布陣だろう。
個々のシリーズで見ると、夏商戦に向けてということもあり、STYLEシリーズの充実度が高かった。多くの機種が“さりげなく防水対応”したことが特色で、機能的な派手さはないが、手堅く売れるラインナップになっている。
このSTYLEシリーズの中でも筆者が注目したのが、富士通製の「F-08A」とNEC製の「N-08A」だ。前者は防水とヘルスケア機能を中心とした“生活中心”のコンセプトであり、すっきりとしたデザインが好ましい。また富士通はUIデザインが優れているのも特長であり、STYLEシリーズのターゲット層に最適な1台に仕上がっている。
一方、後者のN-08Aはかつてのiμシリーズの系譜に連なるNECのスリム端末だが、とりわけ注目なのはBTO方式に対応したWeb限定モデルの存在だろう。これはユーザーが好みのデザインで注文すると、約3週間ほどでカスタマイズされたモデルが手元にとどくというもの。
「N-08A(のWeb限定モデル)はBTO方式のトライアルとなるもの。将来的にはデザイン以外のカスタムメイドも考えられます。また、(デザインということでは)レーザー刻印サービスなども考えたいですね」(説明員)
携帯電話市場が買い換え中心になれば、PCやクルマのように“少し待ってでも、自分が納得できる仕様のモデルが欲しい”というユーザー層が増えてくる。今回はSTYLEシリーズでデザインのみのカスタマイズ対応だが、PRIMEシリーズやPROシリーズで、ハードウェア構成やプリインストールソフトを選べるBTOも需要があるだろう。
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