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» 2009年05月28日 07時10分 公開

JAniCAシンポジウム2009:20代アニメーターの平均月収は10万円以下――アニメ産業が抱える問題点とは? (2/7)

[堀内彰宏,Business Media 誠]

長時間労働ではないが夜型

――低賃金の問題に入っていく前提として、作業時間の問題について触れたいと思います。報道などでは長時間労働と言われることが多いのですが、意外に長くないという印象を受けました。神村さん、アニメーターとしてどのように受け止めておられますか?

神村 確かに数字的にはあまり長くなかったんですね。映像産業なので皆さん、私もそうですが、不眠不休で1週間働くことはもちろんあります。しかし、実際に私がアニメーターを見ていても、1日の平均労働時間は8時間プラス2時間の残業で10時間ぐらいだと思います。

 ただ、休日が少ないんですね。休日が月4日くらいしかないのは、出来高制のフリーランスということで、仕事を休むと収入に響くということがあるからではないかと思っています。

作業時間(左)と休日(右)

――この点、ほかの職種を見た場合、浜野先生いかがでしょうか?

浜野 最近、日本は労働時間が短いのですが、(アニメーターの労働時間も)他産業とそんなに変わらないですね。ですから別の言い方をすれば、映像産業やこういう表現に関わる仕事の中では比較的、産業の体をなしている方だと思います。

竹内 浜野さんは「産業の体をなしている」とおっしゃられましたが、(私は)「産業の体をなしていない」と思っています。

 僕は経営者の側としては、労働時間がそんなに長くないというので一安心したんです。ただ、僕が問題だと思っているのは、夜か昼かという調査がなされていないんですね。夜型の人をたくさん知っているんですよ。強烈なことを言うと、アニメーター、特に原画の夜型が僕は問題だと思っています。それがある限り、これから所得の問題とかに入ってくるのですが、(待遇は)良くならないですよ。

 例えば社員という扱いをした時に、「朝、会社に来てください」というのが普通です。ところがアニメーターは「私は朝つらいから」と言って午後に来ます。13〜14時に来て、徹夜して翌朝2時まで12時間仕事をしましたと。すると、深夜残業手当てを付けなければいけません。アニメーターが勝手に時間を夜にずらしても、今の法律だと深夜残業手当を付けるんですよ。これは経営者の責任ではありません。仕事があるなら昼間に来て欲しいし、そうするべきです。それを直さないとダメですよ。

――夜遅くまでスタジオにいるのはなぜでしょうか?

JAniCA副代表でアニメーターの神村幸子氏

神村 アニメーターはどうしてもだらだら会社にいやすいんですね。家に帰っても遊んでくれる友達がいるわけではなくて、会社にしか友達がいないですよね。ですから仕事が終わってもだらだら会社にいるのです。竹内さんがおっしゃったことは私も実は同感で、会社の社員である以上、やはり朝来て、夜帰るべきです。

 ここにいる皆さんは大体分かっていると思うのですが、(夜遅くまで会社にいると)コストがかかります。数人のために、夜中ずっと電気を付ける、冷房を入れる、暖房を入れるというのはどうみてもコスト的に良くない。特に小さいスタジオにそういう傾向がありますよね。24時間不夜城みたいなので、ご近所から変に思われたりというスタジオが多いと思うのですが、それは改めるべきだと私は思います。

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