GT-Rのハイスペックモデル「Spec V」に、一般道で乗ってみる新連載・岡崎宏司のクルマ DE トリップ(1/2 ページ)

» 2009年07月17日 15時00分 公開
[岡崎宏司,LUXURY TV]
LUXURY TV

岡崎 宏司(オカザキ コウジ)

1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。

※この記事は、LUXURY TVより転載しています。


 日産GT-R Spec Vはサーキットでの試乗は体験済みですが、一般路での試乗は初めてです。パワースペックは基本的には標準車と同じですが、速度計は340km/h。街を走っているときの針の位置はほとんど真下辺りを指すだけです。

日産「NISSAN GT-R」のハイエンドモデル、Spec V。速度計は340km/h(!)

カーボンブレーキの効きは強烈!

 一時的にターボのブースト圧を高める、ハイギアードブーストが加えられています。スイッチオンすると、約80秒間、2kgmのトルクが上乗せされますが、これが、数値上から予想するよりもかなり効果大なのです。アクセル操作に対するパワーの追従が良くなり、コーナーの立ち上がりなどでうまく使うと、ハッキリその効果が分かります。

 しかし、Spec Vの凄さは、シャシーにあります。特に、ブレンボと共同開発したカーボンブレーキが目玉ですが、その効きもタフさも強烈のひと言に尽きます。

「GT-R」は、今や世界に通じる固有名詞になりつつある(左)。このブレーキ、ほんとうに強烈に効きます!! 激烈にタフです!!(右)

 このカーボンブレーキと、レイズ製超軽量ホイールの組み合わせは、4輪トータルで、標準車より20kgものバネ下重量軽減に結びついています。効きの強烈さに加えて、どんなにタフな仕事を強い続けても、まるでケロリなのです。

 ワインディングロードの速さは、もう「異次元」と言うしかありません。その速さは、楽しいとか……そんな次元ではなく、いったん「戦闘モード」に入ったら、否が応でもとことん集中せざるを得なくなります。

 ビルシュタイン製ダンパー、ポテンザRE70Rランフラット・タイヤ、バネ、アライメント、エンジンマウント……等々も専用です。

6速DCTは初期モデルより、変速の速さ、スムースさともに上がっている(左)。リアには285/35ZRFのポテンザを履く。もちろん専用タイヤ(中)。フロントは255/40ZRF。タイヤが変な減り方をしていないのは、うまく使われている証拠(右)

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