強弱入り混じる指標のなか手仕舞い売りもかさんで軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年08月07日 08時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9256.26▼24.71

<NASDAQ>1973.16▼19.89

<為替:NY終値>95.41-95.47

強弱入り混じる指標のなか手仕舞い売りもかさんで軟調

 朝方発表された新規失業保険申請件数は予想より減少、週末の雇用統計改善への期待もあり、買い先行となりました。ただ、主要小売大手の7月の既存店売上高が予想を大きく下回って減少したことから、個人消費回復には時間がかかるとの見方につながり、週末の雇用統計発表を控えていることもあり、手仕舞い売りがかさんだものと思います。原油を筆頭に商品市況が手仕舞い売りなどから軟調となったことや前日の引け後のハイテク銘柄の決算が予想を下回ったことなども売りに繋がり、指数は値ごろ感からの買戻しなどで戻り歩調となる場面もあったものの戻りきらずに軟調となりました。

 企業業績動向などを見ても景気回復の兆しは見られるのですが日本と同様に個人消費や雇用がなかなか回復の兆しが見られません。それでも小売株が全面安となっているわけでもなく百貨店株などは5−7月期の一株利益が予想を上回ったとして買われています。雇用統計の発表を前に雇用に対する不安も増大しているようですが、新規失業保険申請件数などを見ても少なくとも最悪期は脱しており、もう一息というところではないかと思います。ここのところ雇用統計の発表が相場の転機となっているようなことも多いので週末の動きは気になるところです。

 個別には前日の引け後に芳しくない決算を発表したシスコシステムズは朝方こそ売られたものの材料出尽くし感から買われ、堅調となりました。売上高が予想以上の減少となったコストコ・ホールセールやターゲットが売られました。投資判断の引き上げのあったアメリカンエクスプレスは堅調、新車購入制度を利用した販売台数でトヨタのカローラが首位になったことなどからフォードが軟調となりました。原油価格の下落を嫌気してシェブロンやエクソンモービルも軟調となりましたが、デュポンやボーイング、GE(ゼネラルエレクトリック)、キャタピラーといった景気敏感の主力大型株の一角が堅調、大幅高となるものも見られ、地合いの強さを示していました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安にも関わらず大幅高となりました。前日の下げ幅を全て取り戻し引け値ベースで年初来高値更新となるなど予想以上に堅調な展開となりました。外国人が買い越しと伝えられたことや持高調整と見られる売りが見られなかったことで、素直に業績回復を織り込む相場となったものと思われます。

 米国市場は軟調となりましたが、為替が円安となっていることなどから日本市場は底堅い堅調な展開が期待されます。ただ目先的な過熱感が強いことや米国市場で重要な経済指標が発表される週末、また、商品市況軟調となったことで、非鉄株などを中心に手仕舞い売りを急ぐ場面もありそうです。一方で相対的な日本株の出遅れ感もあり、底堅さも見られるものと思います。米国市場ではハイテク銘柄などが軟調となりましたが、円安ということもあり、ハイテク銘柄や自動車株などの輸出関連銘柄が昨日に続き物色されてくるのではないかと思います。昨日のようなまとまった買いが見られれば意外高となるものと思います。

 昨日は10400円を越えると売られてしまいましたが、節目としては10500円を抜けるかどうかということでしょう。10500円を抜けてくるようであれば一気に11000円を意識するようなところまで上昇となるのでしょうが、本日は週末ということもあり、10400円を超えたところでは利益確定売りや手仕舞い売りがかさむものと思います。下値も先週末に「窓」を空けた10170円から10250円の水準と見ておいていいものと思います。

本日の注目点

◇6月の特定サービス産業動態統計速報(経産省)

◇7月の米雇用統計

◇7月の台湾輸出入

◇決算・4−6月期:石油資源開発(1662)、日本ハム(2282)、ゲオ(2681)、三越伊勢丹HD(3099)、日清紡HD(3105)、東レ(3402)、三菱レイヨン(3404)、DIC(4631)、フマキラー(4998)、カルソニックカンセイ(7248)、AOKIHD(8214)、アイフル(8515)、日本航空(9205)

◇決算・1−6月期:ライオン(4912)、ブリヂストン(5108)

◇決算・4−6月期:独プーマ

◇決算・1−6月期:英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド

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