2014年の太陽光発電導入量は2008年の4倍超に――シードプランニング推計

» 2009年08月07日 12時36分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは8月6日、太陽光発電の市場動向と普及ロードマップに関する調査結果を発表、2008年の世界の太陽光発電導入量は5347メガワットで、生産量は6941メガワットと大きく伸びたことが分かった。同社では「スペインがフィード・イン・タリフ※の買取額を電気代の約3倍と高額にしたことで、飛躍的に導入量が増加した」と分析している。

※フィード・イン・タリフ……太陽光発電で自家消費しなかった電力を電力会社に売る時の買取価格を国などが法律で定める助成制度のこと。

 各国で助成制度が設定されていることや、米国でグリーン・ニューディール政策が進められることなどから、同社では今後も市場は伸びるとして、2014年の太陽光発電導入量を2万2251メガワット、生産量を3万5601メガワットと2008年の4〜5倍の規模になると予測している。

世界の太陽光発電導入量/生産量(出典:シードプランニング)

 太陽電池の種類別シェアでは、2007年は薄膜系が6.8%、結晶系が87.8%だった。しかしシードプランニングでは、「薄膜シリコンは変換効率は結晶系に劣るが、安価であるため※、主に産業用で広い面積の場所で利用が進む事が予想される」として、2014年には薄膜系が34.5%、結晶系が57.1%となると予測した。

※薄膜系太陽電池はガラス基板の上にシリコンを薄く堆積させた構造で、結晶系太陽電池に比べて、原材料のシリコン使用量を削減できる。

 太陽電池関連メーカーへのヒアリングなどによる調査で、期間は2009年4月〜7月。

太陽電池のシェア変動予測(出典:シードプランニング)

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