前日の大幅高の反動や悪材料が多く、売りがかさんで大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年09月25日 16時09分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10265.98円 ▼ 278.24円
売買高 19億6525万株
日経平均先物 10310円 ▼150円
売買代金 1兆2803億円
TOPIX 922.67 ▼27.53
値上がり銘柄 186銘柄
東証マザーズ指数 460.55 ▼5.56
値下がり銘柄 1455銘柄
日経ジャスダック平均 1244.42円 ▼4.62円
変わらず 42銘柄
騰落レシオ 81.77% ▼4.61%

日経平均

前日の大幅高の反動や悪材料が多く、売りがかさんで大幅下落

 米国市場が軟調となったことや前日の大幅高の反動、また、金融株の大型増資に対する株式価値の希薄化懸念などから売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も大幅売り越しと伝えられ、為替も円高に振れたことで先物を筆頭に売り気配から始まるものが多く、大幅安の始まりとなりました。寄り付きの売りが一巡した後も週末の手仕舞い売りは続き、指数が下がることで、売り急ぎかえって指数が下がってしまうような格好で大幅安となりました。

 節目と見られる10200円台半ばまで下落する場面ではさすがに目先筋の買戻しも入り底堅く、底堅さが見られことで、後場は戻り歩調の始まりとなりました。ただ、買い手控え気分は強く買戻しを急ぐ動きもなく戻りの鈍さを見ると再び見切り売りがかさむというような状況で指数は小動きとなりました。昨日は配当などの権利付き最終日と言うことで持高調整の買いも見られたのですが、権利落ち日の週末ということで買い気に乏しい展開となりました。政策の方向性も定まらないことなどもあって買い手控えられた面もあるものと思います。

 小型銘柄も買い手不在の中で小口の見切り売りに押されて軟調となるものが見られました。東証マザーズ指数は大幅下落となりましたが、二部株指数や日経ジャスダック平均は売り叩く動きも少なく、軟調というに止まりました。先物は朝方はまとまった売りが見られましたが、後場に入ると小口の持高調整となり目先筋のまとまった売り買いもなく小動きとなりました。朝方こそ指数を下押すようなまとまった売りが見られましたが、後場はそうした動きもなく、方向感のない展開でした。

 悪材料が重なり大きな下落となりました。非鉄株や石油株は原油や金などの商品市況の下落を受けて安く、半導体関連銘柄やハイテク株などの輸出関連株は前日の大幅高の反動や円高を嫌気して安く、金融株は大型増資懸念や返済猶予、金融規制などを懸念して売られ、電力株などディフェンシブ銘柄は配当取りの後の手仕舞い売りに押されて安いといった状況でした。加えて週末の手仕舞い売りや昨日の持高調整の反動売りもあったものと思います。これだけ悪い材料が重なっても下値の節目で下げ止まるということは逆に底堅い相場ということなのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線が日々線の下落に合わせ大幅下落となりました。日々線は基準線を再び割り込んで、基準線での上値の重さを確認することになりました。RSIは中途半端な位置にあり、方向感はなく、ストキャスティックスも上昇余地があったのですが、一気に調整となりました。今度はストキャスティックスが底値になるまで下値の節目を確認するような展開になって来るものと思います。

TOPIX

NYダウ

 ついに雲に突っ込んでしまいました。戻りかけていたストキャスティックスも再び下値を探る展開となり、雲の下限のサポートを確認するような格好となって来るのではないかと思います。ここからは底堅さも見られそうですが、調整は長引きそうです。

円相場

NYダウ

 引き続き下値を確認するようにつっかけては底堅い展開となっています。RSIもストキャスティックスも底値圏からの上昇となっており、引き続き底堅い展開は続くものと思います。まだまだ基準線の下落も続きますが基準線を意識するところまでの戻りは期待出来るのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

悪材料が重なりほぼ全面安

野村HD(8604) 573 ▼108

 昨日の引け後に国内外で普通株を8億株(8月末時点の発行済み株式総数の約29%に相当)発行する予定と発表し、既存株式価値の希薄化を嫌気する売りが広がり、ストップ安比例配分となりました。

日電硝(5214) 911 △27

 昨日引け後に2009年4−9月期の連結営業利益の減益幅が縮小しそうだと発表。手掛かり難の相場の中で素直に好感する買いが入り大幅高となりました。

セ硝子(4044) 408 ▼16

 7−9月期の連結営業損益がほぼゼロとなる見通しと新聞で報じられ、大幅下落となりました。新聞報道では自動車用ガラスは持ち直すものの、化成品事業の伸び悩みが影響しているものと報じられました。

アイフル(8515) 119 △17

 ADR(裁判外紛争解決)申請によって当面の資金繰り不安が解消される見通しであるとして、外資系証券が投資判断を引き上げたことから大幅反発となりました。

ソニー(6758) 2665 ▼5

 円高が進んだにも関わらず底堅い展開なりました。売り一巡感が出ていることや持高調整が一巡したことから、売り急ぐ動きにはならなかったものと思われます。新型携帯ゲーム機の販売が好調ということも下支え要因となっているようです。

住石HD(1514) 108 △13

 昨日の引け後に2010年3月期の連結純利益が前期比3.2倍になりそうだと発表。従来予想から大幅上方修正となったことや値ごろ感から目先筋の買いも入り易く、一時ストップ高となりました。

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