フランス王妃と塀の中の囚人が愛したお菓子男子スイーツ部(1/5 ページ)

» 2009年10月22日 10時00分 公開
[ter,男子スイーツ部]
男子スイーツ部

 前回、映画やマンガで登場するお菓子を紹介しましたが、今回は女性主役の豪華絢爛な海外作品と、おじさんが主人公の国内ローカルかつマニアック作品という、“美女と野獣”2本立てです。お菓子そのものもギャップが激しい感じでお送りします。

 まず紹介するのは、2006年(日本では2007年1月)に公開された映画『マリー・アントワネット』に出てきたお菓子です。映画は、キルスティン・ダンスト扮するマリー・アントワネットがヴェルサイユに来てからフランス革命が勃発するまでを描いており、話がヴェルサイユ宮殿内、つまり王家の中だけでほぼ完結しているのが特徴です。マリー・アントワネットの羽振りのよい時代についてのみ描かれており、終盤までストーリーの重苦しさはまったくありません。民衆との対立もほとんど描かれず、ドラマの焦点はもっぱら「マリー・アントワネットが、不慣れな王室での暮らしをどのように乗り越えていくか」というところに置かれています。

 14歳で親元を離れてフランス王室に嫁いだあと、「旦那(ルイ16世)とうまくいかない」「舅(フランス国王)やその愛人と折り合いが悪い」「近所(王室周り)で悪い評判が立っている」などのトラブルを抱えながら、ストレス解消にお菓子を食べて遊びまくっている……こう書いてしまうと、なんだかものすごく小市民的で、ひと昔前の昼メロのようですが、要素が豪華なだけで、やっていることは今も昔も一緒なんだなあ、と妙な感慨を覚える映画です。

 映画そのものはドラマとして作られているので、史実のままであるはずがないのですが、衣装、セット、食べ物、音楽(ロック!)など、画面の圧倒的な説得力によって史実のように見えてしまう、ある意味すごい作品です。

 ともあれ、映画ではマリー・アントワネットに「ストレスがたまったであろう」シーンのあとに、お菓子を食べるシーンがよく出てきます。劇中に多数出てくるお菓子を提供しているのが、パリに本店があり、日本では銀座三越内に支店がある老舗「ラデュレ」です。

銀座三越。本当はマカロンタワーなどが置いてあるラデュレ店舗の写真を撮りたかったのですが、三越店内は撮影禁止とのことでしたので、三越外観の写真にて

 2008年7月にオープンしたこのお店。オープン直後はお客さんがものすごく行列していたのを覚えています。マカロンと開店前の告知ポスターに写真が載っていたルリジューズがどうしても買いたくて、オープン翌週に1時間以上並んでようやく購入したのも今はよい思い出です。訪れるのはそのとき以来ですから、約1年ぶりになります。今では人気も一段落しているようで、ほとんど並ばずに購入することができました。

ラデュレの袋はこんな感じ
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