あのころはこんなクルマが注目されていた(1980〜1981年)東京モーターショー2009

» 2009年10月23日 13時18分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 自動車雑誌の編集者らで組織する日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会は10月21日、2009年の日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)にトヨタ自動車のHV「プリウス」を選んだ(関連記事)。自動車業界の年に1度の“お祭り”ともいえる賞も、今年で30回目。この30周年を記念して、COTYを受賞した懐かしいクルマが東京モーターショーに集合した。

 第1回COTYを受賞したマツダ「ファミリア」と第2回のトヨタ「ソアラ」――1980年代前半に注目されたクルマを紹介しよう。

若者の憧れだった“赤いファミリア”

 1980年代前半といえば、日本経済がバブルに向かって歩んだ時代とも言えるだろう。またディスコや女子大生ブームなどもあり、若者は“おしゃれなクルマ”をライフスタイルに取り入れたりしていた。

 そんな中、第1回COTY(1980年)はマツダの「ファミリア」が受賞。このほかトヨタの「マークII」、日産の「ブルーバードSSS ターボセダン」などがノミネートされていた。ちなみに1980年といえば、日本がモスクワオリンピックへの不参加を決めたり、ルービックキューブが大流行、チョロQが誕生した年でもあった。

 自動車評論家の日下部保雄氏は「第2次石油危機の直後にデビューした5代目のファミリア。それまでの後輪駆動から、スペース効率の良い前輪駆動としたほか、スポーティなサスペンションなど画期的な機構を取り入れた。明るい室内、多彩に変化するシートなどが人気を呼び、テーマカラーだった“赤いファミリア”はまさに若者の憧れとなった」としている。

1980年に登場した5代目のファミリア。当時は“赤いファミリア”とも呼ばれた

ハイソカーブームの火付け役だったソアラ

 第2回COTY(1981年)を受賞したソアラ(初代)といえば、ハイソカーブーム(国産の高級乗用車)の“火付け役”になった1台といってもいいだろう。1981年といえばロナルド・レーガンが第40代米国の大統領に就任したほか、英国ではチャールズ皇太子とダイアナ妃が結婚式を挙げた。また国内では黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)が大ベストセラー、ピンクレディーの解散などがあった。

ハイソカーブームを作り上げたトヨタのソアラ

 当時のソアラについて、日下部保雄氏は「トヨタからソアラが登場したことで自動車業界は高揚した。大衆車を得意とするトヨタが総力を挙げて大型の2ドアクーペを送りだしたからだ。当時としては大きな直列6気筒の2.8リットルエンジンやデジタルメーターなど、革新的な技術は世の中に熱狂的に受け入れられた。折りしも日本はバブル経済が芽吹き始め、国民も豊かな生活を信じていた時代だった」とコメントしている。

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