コラム
» 2010年03月02日 08時00分 公開

コストダウンを「解雇」で行ってはいけない(2/2 ページ)

[荒川大,Business Media 誠]
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労働組合と弁護士の力

 企業側が金銭解決を行うことが前提にある「解雇」の問題は、労働組合による団体交渉から、弁護士による調停・訴訟にと発展します。特に、弁護士から連絡がある場合、労働組合による内容確認が済み、弁護士が対応しようと考えている案件ですので、訴訟になればほぼ確実に負けます。

 当社で関わった案件では、元従業員による虚偽申告が多かったため、労働組合も弁護士もサポートに入らず、調停で支払いが無かったケースもありましたが、多くの弁護士事務所が成功報酬型で対応をしていますので、連絡があるということは要注意です。

 また、訴訟で負けた場合、それが社内にどれくらい波及するのかを想定しておかなければ、数十万円の負担で済んだものが、ほかの社員へ波及し数千万円というコスト負担に拡大することも考えられます。

なぜ今「解雇」が問題になるのか?

 「これまでは解雇が問題にならなかった…?」のはウソです。会社都合で退職を強要された社員が「自己都合」での退職に同意していたから、「会社都合での解雇は記録に残るので転職に不利になるから」と渋々同意していただけのことなのです。

 では、転職の可能性が低い現在、そのような退職勧奨に同意するのでしょうか……。

 「不当解雇」とは社会的に認められない退職の強要だけではなく、労働基準監督署が認めないすべての解雇を指しますので、この点を踏まえて、解雇に踏み切るのか否か、ほかの人件費を削減することで対応できないかを一度考えていただく必要があると思われます。

何をもってコスト削減ができるのか?

 基本的には内製化を進め、できる限りのことを社内で行うことで支出を減らすことができます。しかし、ただ内製化を進めても、時間が経てば業務プロセスが硬直化して本当にコスト削減になっているのかが分からなくなることもあります。

 まずは、総務部門が管理する資産および経費の見直しから始め、次にIT投資関連の過剰なところがないかを確認し、最後に人件費に手をつける戦略的な対応が必要です。特に人件費は、賃金・賞与以外の部分がどのような構成になっているのかを確認し、生活に影響の少ないところから管理していくことが重要です。

 加えて、その変更を行う際の説明プロセスも重視する必要がありますし、このタイミングで業績連動型の賃金支払いの仕組みを合わせて導入することも必要になるでしょう。(荒川大)

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解雇 | 裁判 | 労働組合 | コスト削減


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