コラム
» 2010年10月15日 08時00分 公開

会社はユニオンを怖がっている……その“噂”は本当なのか吉田典史の時事日想(2/4 ページ)

[吉田典史,Business Media 誠]
女性ユニオン名古屋の坂喜代子さん

 その意味で「ユニオンに入れば、トラブルは解決する」という考え方自体が誤りだと思う。言い方を変えれば、本人に役員らを説得し、ユニオンを動かす力や意思もない場合は、単なる相談者として扱われて終わっていくだろう。自分自身が解決するという意思を持つことが大前提である。

 実際、こういう人は少なくない。結局、ユニオンに現れて不満は言うものの、どうしたいのかが不明確なのだ。例えば解雇ならば、それを撤回させ、元の状態に戻すのか、それとも条件次第で退職をすることを選ぶのか、といったことがあいまいなのである。これではユニオンも動くことができない。

 女性ユニオン名古屋で委員長を長くしてきた坂喜代子氏は語る。「相談に来る人は多いが、内容証明を会社に送り、団交で決着をつけようとする人は少ない。会社がさまざまな手段でその労働者がひるむように仕向けてくる」

 これが、労使紛争のワンシーンなのである。わたしが気になっているのは、会社と争うことを単純に考えている人が多いこと。これは30代半ばまでくらいの人に集中している。こういう人は、ユニオンをあたかも「便利屋さん」のような存在にとらえ、なんでもやってくれると思い込んでいる。それは間違いだ。

 ユニオンに駆け込むならば、それ以前にまずは自分が置かれている現状を冷静に把握することだ。「退職強要」を受けたならば、その証拠を自分で集めないといけない。決してユニオンが証拠を固めてくれるわけではないのだ。

 争いの場で、会社は「『辞めろ』などと言っていない」と言うのが定番である。「辞めろ」という言葉をICレコーダーなどで録音し、証拠にしないといけない。それらをユニオンの役員らに見せることで「一緒に会社と闘ってほしい」と説得することが大切だ。このようなことをできるのかどうか、とまずは自問自答することではないか。

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