なぜコンビニは“新天地”を探し続けるのかローソンを“研究する”・スタート(2/5 ページ)

» 2010年10月27日 11時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

“米国方式”を持ち込んだローソン

店内で調理をする従業員、ローソン「白金台二丁目店」にて

 ローソンが産声を上げたのは1975年、日本にコンビニが誕生した翌年のことだった。ダイエーの100%子会社としてスタートしたローソンは順調に店舗を増やしていったが、30店を超えたあたりから出店スピードが失速する。

 当時のローソンは米国のやり方をそのまま日本に持ち込んだため、初めのころは珍しさもあり、多くのお客が店に足を運んだ。しかしハムをオーダースライスしたり、商品を量り売りするなど、“米国式”が日本にはなじまなかった。「米国の家庭ではよくホームパーティーがありますが、日本でもそのような需要があると思っていました。世の中の1歩どころか、2歩、3歩早かったのでしょうね……日本ではホームパーティが普及しませんでした」と広報の木村和雄シニアマネジャーは振り返る。

 当時のローソンは、店舗オーナーが土地・建物・商品代金すべてを負担していた。これはロイヤリティ方式というもので、オーナーは月末に商品代金(ライセンス商品と店舗で独自に仕入れた商品を除く)と数%のチャージを本部に支払っていた。オーナーは開業するにあたってまとまった資金が必要で、毎月の支払いを自分で管理しなければいけなかった。

 しかし1979年に利益配分方式を導入することで、本部が資金管理を行うようにした。粗利益の65%を店舗オーナーに、そして35%を本部に。またオーナーは売上金を毎日振り込むことになったが、精算書を本部が作成することになったので事務作業が減少した。

 1977年〜1978年の2年間、ローソンの新規出店はゼロ。しかしパーティーフーズ主体のコンビニから現在のベーシックタイプに一新したことと、新しいフランチャイズシステムを導入したことで新規出店の準備が整った。しかしローソンが停滞している間に、セブン-イレブンが店舗数を伸ばしていく。ローソンは1979年に出店を再開させるものの、その後セブン-イレブンを追い越すことはできていない。

ローソンの歴史

1975年 ダイエーの100%子会社として、ダイエーローソン株式会社を大阪に設立
1975年 1号店「桜塚店」(大阪府豊中市)をオープン。
1996年 上海市に華聯集団有限公司との合弁にて、上海華聯羅森有限公司(連結子会社)を設立
1996年 株式会社ローソンへ商号変更
2000年 三菱商事と業務提携契約を締結
2000年 東京証券取引所および大阪証券取引所、各市場第一部に株式上場
2007年 九九プラス(現・連結子会社)との業務提携、同社に対する資本参加
2007年 ナチュラルローソンの事業を吸収
2009年 マツモトキヨシホールディングスと業務提携契約を締結

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