ミナ ペルホネン15周年記念展のテーマは「進行中」(3/5 ページ)

» 2010年10月28日 21時00分 公開
[上條桂子,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

 メインの吹き抜け部分には、2本の大きな木に「トリバッグ」が留まる。ここでは、「進行中」であるミナ ペルホネンの活動の中でも先の部分の活動が紹介されている。

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 昨年から今年にかけて、表参道と京都に「ミナ ペルホネン ピース,」、白金台と京都に「ミナ ペルホネン アルキストット」がオープンした。「ピース」はpiece:かけらという意味で、これまでに作ってきたテキスタイルの余り布を使ったリメイクアイテムを販売。アルキストットはアーカイブの意、これまでのアーカイブを見せていく場所である。

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 ミナのデザインに流行は関係ない。過去に作ってきたものをまた舞台に上げてそのときの気持ちでものをつくる。それを象徴するように、木にはミナのテキスタイルを組み合わせて作られたパッチワークがされており、同じくシーズンごとに1羽ずつ増えるパッチワークの鳥バッグが羽を休める。

 入り口から入って右側のスペースに場所を移す。こちらには、先ほど見たテキスタイルで作られた洋服たちの一部を紹介している。マネキン1つ1つには布のウィッグがかぶせられている。

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 これはヘアメイク宮森隆行氏と赤松絵利氏(esper.)によるもの。この白い布は、洋服のパターンを作るためのシーチングと呼ばれるコットンの布だ。その布を一部再利用して愛らしいウィッグが生まれた。ちなみにこのやさしい表情をたたえるお面は皆川氏が描いたものだ。

 大きなパネルの写真は十文字美信氏が本展のために撮り下ろしたもの。氏のデビュー当時の作品である「首なし」のミナ ペルホネンバージョンがここに実現した。これは思わず息を呑んでしまうほどのカッコよさ! じっくりと近くに寄ると、洋服の絢目や刺しゅうの1つ1つまでくっきりと写っているのが分かるだろう。

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 ざざっと展示をかいつまんできたが、ほんとうに盛りだくさんの展示だ。というのは単なる15年という時間の経過だけではなく、その間もたゆまぬ探求心と時流に流されない独自のクリエイティブを貫き、たくさんのクリエイターと協働し刺激を受けながら進化してきたミナ ペルホネンの「進行中」の姿がそこにあるから。ものづくりをするすべての人に見てほしい。

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