こうしたまさに混沌とした状況の中で、カシオのセオリー通りのマーケティングはどのような結果をもたらすのだろうか。
「従来のマーケティングセオリーが効かなくなった」という声は今でも相変わらず多い。必需品と呼ばれるものはすでに行きわたり、「モノ」自体の機能によるヒット商品を出し続けることは至難の技だからだ。どこでもAppleのように商品開発をしたり、Googleのように話題の会社を買収できたりするわけではない。
おまけにメーカーや小売が「差別化」と呼ぶ内容は、ユーザーにとってすでに意味を持たないものが大半だ。それどころか、ユーザーにあえて負荷をかけるような手法が大当たりすることも少なくないし、逆に手取り足取りのサービスが見向きもされないこともある。
マーケティング施策の企画や運営、意思決定に携わる人たちにとっては受難とも言える時代だが、私を含めてこのカシオが展開した「美肌ジブン撮りカメラ」の成功を祈る人たちは少なくないだろう。好みの問題といえばそれまでだし、少し古いのかもしれないが、ぜひとも成功してほしい企画モデルの1つだ。(猪口真)
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング