3月11日に起こった東北関東大震災。大きな被災地以外でも、スピッツの草野マサムネさんが地震報道などに接して急性ストレス障害になる(参照リンク)など、二次的な被害も生まれている。震災による心の病気はどのくらい発生しているのだろうか。
QLifeの調査によると、関東1都5県の医師に「大震災に関連すると思われる心因的な病状悪化が見られる患者がいますか」と尋ねたところ、「いる」は54.8%と半数を超えた。病状悪化は「大人の患者のみに見られる」が36.9%と、「小児の患者のみに見られる」の1.6%を大きく上回った。
「最も印象的だった症例」を聞くと、トップは「不眠」。以下、「めまい・浮遊感」、「血圧の上昇」、「うつ症状の悪化」、「動悸」、「パニック障害」、「おう吐(余震時など)」、「下痢」が続いた。
具体的には「3歳女児、地震後より頻尿みられ、入眠不可となり余震があるたびに泣き叫ぶようになった」(病院/神奈川)、「阪神・淡路大震災の被災者で、今回の地震で当時のことを思い出しパニック発作を発症」(病院/東京)、「症例では印象的なものはないが、定期受診している人全員が普段より血圧が20〜30ほど高かった」(病院/群馬)といった声があった。
「強い不安の訴え」で、トランキライザーなどの向精神薬を新たに(または増量して)処方した患者がいると答えた医師は34%。
強い不安の具体的な内容で最も多かったのは「自宅・勤務先などで余震が続く」で19.8%。以下、「悲惨な映像が繰り返される」が13.5%、「詳しくは不明だが、震災に関して漠然と」が9.1%、「被災地域に肉親や知人がいる」が7.9%、「原発・放射能トラブル」が6.7%で続いた。
今後、自分の患者に大震災に起因するPTSD(心因外傷後ストレス障害)が見られる(ほぼ確実+可能性は高い)と予想する医師も42%にのぼった。
インターネットによる調査で、対象は茨城県を除く関東地方(栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の医師252人。調査時期は3月24日と25日。
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