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» 2011年04月20日 08時00分 公開

なぜ昔の新聞記者は“社会”を動かしていたのか烏賀陽弘道×窪田順生の“残念な新聞”(8)(4/4 ページ)

[土肥義則,Business Media 誠]
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記者は社会を動かすファミリーだった

窪田:昔の記者は「ファミリー」の中で動いていた。政治であれば仲間から政治の特ダネがどんどんつかめる。そうするとそれを読んだ読者は、あたかも新聞が世論を動かしているような錯覚を覚えたのではないでしょうか。また、新聞に記事が掲載されれば、政治の世界に直接影響を与えていた。かつてひとにぎりのエリートが世の中を動かしていましたが、エリートが増えていったため力が薄くなったんでしょうね。

 そして力が薄くなったがために、記者が弱体化しているように感じているのかもしれない。個々の能力が落ちているわけでもないのに。

烏賀陽:そうだと思います。逆説的な言い方ですが、高リテラシー集団が大衆化したんですよ。通俗的な言い方では「エリート」です。高等教育が大衆化する以前は、そういう人材は希少ですから、官僚も記者も同じ母集団から出ていた。彼らは社会を動かすひとつの「ファミリー」だったんですよ。

 →次回、4月22日掲載予定。

2人のプロフィール

烏賀陽弘道(うがや・ひろみち)

1963年、京都市生まれ。1986年に京都大学経済学部を卒業し、朝日新聞社記者になる。三重県津支局、愛知県岡崎支局、名古屋本社社会部を経て、1991年から2001年まで『アエラ』編集部記者。 1992年にコロンビア大学修士課程に自費留学し、国際安全保障論(核戦略)で修士課程を修了。1998年から1999年までニューヨークに駐在。 2003年に退社しフリーランス。著書に『「朝日」ともあろうものが。 』(河出文庫)、『Jポップとは何か―巨大化する音楽産業 』(岩波新書)などがある。

窪田順生(くぼた・まさき)

1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、フライデー、朝日新聞、実話紙などを経て、現在はノンフィクションライターとして活躍するほか、企業の報道対策アドバイザーも務める。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。著書に『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術 』(講談社α文庫)などがある。


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