当日は天候に恵まれ、主催者発表によれば約8000人の市民が最寄のキルヒハイム駅前に集まった。ここからネッカーウェストハイム原発まで、ブドウ畑と菜の花畑を両脇に見ながら2キロほどの道のりだ。
ドイツでも暴力を伴うデモがあることは否定できないが、近年の反原発デモは平和的に行われている。雰囲気は「お祭り」と書くのがピッタリだろう。ベビーカーを押す家族連れから高齢者のグループまで、性別・年齢を問わない幅広い市民層の参加が特徴と言える。警察はパトカーで先導することと、所々の交差点での交通整理だけが仕事。原発敷地内にも特別警戒の様子はない。
主催団体のひとつ、環境保護団体BUNDバーデン・ビュルテンベルク州のフリース事務局長によれば、平和行動と偏狭な思想にとらわれない反原発運動がモットーだ。
「チェルノブイリ記念日にあわせたデモとイベントは国内12カ所で行われていますが、最初に始まったのがこのネッカーウェストハイム原発デモです。初期のデモは警察の放水車が出動する激しいものでしたが、近年は過激なグループを排除し、多様な考えの市民が参加できるよう心がけています」
例えば原発推進の立場をとる与党CDU(キリスト教民主同盟)支持者であっても、「他の政策は支持するが原発には反対」ならば気軽に参加できる。
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