また、MCSでは3Dゲーム機からハイブリッド自動車、太陽光発電機まで、約60品目について「今後1、2年以内に購入したいか?」について聞いているが、多くの品目で20代の購入意向は低く、昔ならローンを組んででも買ったような商品を欲しがってはいない。ただし、スマートフォンについては、他の年代と同様かそれ以上に、購入意向者の比率が高くなっている。
若年層の「モノ離れ」と言われるとおりの結果だが、そんな中でも欲しいと思っているスマートフォンを、それでは、20代はどう使っているのだろうか。
スマートフォンで継続して利用している個別のアプリ名を世代別に集計すると(人気アプリから30本を選んで聞いた)、20代はSkypeで、30代は仕事系、40代は電子書籍など、世代によって利用アプリの傾向が大きく異なっていることが分かる(図3)。
20代はしっかりSkypeを活用していて、飲み会の後、コンビニでそれぞれお酒を買って帰って自宅で「Skype二次会」なんて話もある。一方、30代で利用率が高い「BB2C」は、2ちゃんねるビューアだ。
図4は、スマートフォンで利用しているアプリのジャンルを、世代別に見たものだ。他の世代と同様、ニュースや乗り換え案内の利用率が高いが、20代が最も利用しているのはゲームだ(10代も、ほかの用途に比べてゲームが突出していることにも注目したい)。また、他の世代に比べてSNSやTwitterの利用率も高くなっている。
20代はコミュニケーションツールとして、あるいはメディアデバイスとしてスマートフォンを使っているわけだが、注目すべきはやはりソーシャルメディアとの関係だ。
図5は、スマートフォン利用者におけるmixiとTwitterの利用率を世代別に集計したものだ。20代のスマートフォン利用者の50.0%はmixiを、50.9%はTwitterを使っており、他の世代に比べてもその利用率は高くなっている。ちなみに、iPhone利用者とAndroid利用者では、わずかではあるが、後者のほうがソーシャルメディアの利用率が高い。
このソーシャルメディアの利用率の高さは、大きな意味を持つのではないか? ソーシャルメディアは、利用者の意志決定や行動様式にまで、強く影響してくるはずだからだ。
スマートフォンの購入意向率を性・年代別で集計してみると(図6)、20代では男性よりも女性がiPhoneを欲しがっているということが分かる。グラフにはないが、同じ20代女性でもとくに20代後半(25〜29歳)のiPhoneの購入意向率は突出している。なお、10代のiPhone購入意向が高いのも見逃せない点だ。このグラフは購入意向者に占める年代の比率だが、それぞれの性・年代に占める購入意向率で見ると、実に「10代が最もiPhoneを欲しがっている」という結果となる。
一方、Androidの購入意向率では、女性の比率は男性の半分程度になっている。昼間のバラエティ番組でもアプリが紹介されるほどiPhoneがポピュラーな存在になっているのに対して、Androidはまだ認知が低いからだろう。もっとも、全体としてはiPhoneの購入意向率が10.5%であるのに対して、Androidの購入意向率は12.2%と、わずかながらAndroidのほうが高い。
性別・年代以外の傾向について、図7はiPhone/Androidの購入意向者と、アンケート回答者全体の「好きなコンテンツ」を比較したグラフである。Android購入意向者では、「ガンダム」、「エヴァンゲリオン」、「攻殻機動隊」が飛び出している。ただし、これは「アニメ好き」が多いというよりも、購入意向者の中心が30代後半の男性だからだろう。
ここで最も注目すべきは、Android購入意向者と全回答者の傾向がかなり似ているということだ(Android購入意向者と全回答者を表すグラフが、同じように上下している)。図8は「よく遊びに行く街」について集計した結果だが、こちらからも同様の傾向が見て取れる。
iPhone利用者には、発売当初から「Mac」利用者の割合が多い、「自営業」の比率が高い(デザイナーなどがここに含まれる)などといった特徴があった。一般の利用者の割合も増えてはいるが、これからiPhoneを買う人にも、まだ“ユニークな層”が多いということだ。
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