45度の坂を昇る! ウニモグに試乗した松田雅央の時事日想(1/5 ページ)

» 2011年05月17日 08時00分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

著者プロフィール:松田雅央(まつだまさひろ)

ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ


 ダイムラー(メルセデス・ベンツ)の多目的自動車ウニモグ(UNIMOG)。ドイツ語のUniversal−Motor−Gerat(汎用−動力−装置)の頭文字をつなげてこう読む。

 第二次世界大戦後まもなく農作業車として開発が始まったウニモグは、技術革新を繰り返しながら現在も生産が続けられ、これまでに累計40万台以上が生産された。多目的自動車の分野では他メーカーの追随を許さない圧倒的な実績を誇っている。

 世界の特殊自動車ファン(世の中には熱狂的ファンが存在する)垂ぜんの的、ウニモグの魅力をドイツ・ガッゲナウのウニモグ博物館からお届けしたい。

ウニモグ博物館

道路整備から極地探検まで

 そもそも「多目的自動車」とは何か? これは時として「多目的作業車」とも呼ばれる。

 いわゆる作業用自動車には、例えば農業なら小型から超大型まで各種のトラクターがあり、各種のアタッチメントを付けて畑を耕し、草を刈り、収穫、牽引など多様な作業をこなす。また、道路の工事・整備・清掃で使用される作業用自動車は、小型クレーンを装備したり、草刈機や除雪機を装備して低速で走りながらの作業に使用される。

 それとは別に、過酷な条件、例えば砂漠、熱帯雨林、山岳地帯など極地のオフロードを走るために開発された特殊自動車がある。そういった特殊自動車は「道なき道」を超低速で走ることもあれば、舗装道路を高速で走る能力も求められる。さらに、オフロードを走れる消防車や軍用車といった特殊自動車もある。

道路沿いの草刈作業用アタッチメントを装着したU400(左)。ダイムラーは基本的にベース車体だけを製造し、改装・アタッチメントの装着は別に行われる。消防作業車として使用されているU1300L(右)

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