みんな観た? どうだった? 夏休み3大映画ヒトコマレビューあの映画ざっくりレビュー

» 2011年08月31日 08時00分 公開
[櫻井輪子,Business Media 誠]
ザックリレビュー

 この夏の大作をざっくりいうと、「日本の夏、ジブリの夏」なジブリアニメのヒロインは幼稚園児や小人から女子高生へと成長し、「トランスフォーマー・シリーズ」の童貞の高校生は地球を救うサラリーマンへと成長し、ハリー・ポッターは10年も経てばキャラも中の人も成長しまくり……夏休みに親戚の子が遊びにきて「大きくなったわねえ」としみじみしちゃうラインアップ。

ざっくりレビュー

 公開から1カ月を過ぎても、興業収益の上位をひた走る夏の三大映画。恒例ジブリ作品は宮崎氏の息子の吾郎氏が監督した『コクリコ坂から』。2010年のアリエッティに続いて次世代監督を模索中だが、映画そのものに若々しさはまったくない。ジブリ版『三丁目の夕日』といった印象。ヒロインが大人びた女子高生なのは、吾郎氏の好みなんでしょうか? ひたすら低年齢化していった反動でしょうか? 次回作に期待したいです。

 『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』は三部作の完結編。いつまでたっても童貞臭のあるシャイア・ラブーフ演じるサム、1作目でゲットしたラテン系の彼女とはいつのまにか別れていて、やっぱり美人の新しい彼女とラブラブなのが何だか解せない。地球を救うために走り回るサムに「すまん、お前にそんなすごいことは期待してなかった」と思ってしまった。それと、3Dの意味はあんまりなかった(個人の感想です)。

 10年のお勤めご苦労さま、なハリー・ポッターシリーズ、ついに完結! の『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2』。まあ10年も経てば、子役だった役者もヒゲが濃くなったり、腹が出たり、頭髪が寂しくなったりするんだねえ……としみじみ。観るほうも大変で、あれって何だっけ? とかこれってあれだっけ? というボケ具合。そんなボケを補完してくれる人物&アイテム解説パンフレットとか出してくれればいいのに、と思ってしまってごめんね、ワーナーブラザーズ。これから観る人は、ヴォルデモードが自分の魂を7つに分けて入れた分霊箱を全部見つけて壊したら勝ち! っていうことを押さえておけばいいんじゃないかな? で、やっぱり3Dの意味はあんまりなかった(個人の感想です)。

あらすじ

『コクリコ坂から』東京五輪を翌年に控えた横浜、下宿屋のコクリコ荘を切り盛りする16歳の海は、忙しい毎日を送っている。高校の文化部部室棟、通称カルチェラタン取り壊し反対運動のさなかに、海は17歳の俊と出会う。次第に親しくなっていく2人だが、ある日コクリコ荘を訪ねた俊が海の父の写真を見てから、俊は海を避けるようになる。理由を問いつめる海に、俊は「君の父親の沢村雄一郎は僕の父だ」と告白するが……。

『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』1969年、アポロ11号の月面着陸時、月の裏側で金属生命体トランスフォーマーの宇宙船が不時着しているのが発見される。その中にいた生死不明のトランスフォーマー、センチネルプライムの身体とともに、その事実はNASAとアメリカ政府により隠蔽されていた。オートボットたちはアメリカ政府の下、世界の平和のために働き、サムは職探し中。彼女のカーリーに励まされようやく職にありついたサムだが、メガトロン率いるトランスフォーマーたちの地球侵略計画は着々と進んでいた。

『ハリー・ポッター 死の秘宝 Part2』2001年にスタートしたハリー・ポッターシリーズの完結編。ついにホグワーツまでもがデスイーターの影響下におかれ、闇の勢力に対抗し学校を取り戻すために立ち上がる魔法使いたち。ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人は宿敵ヴォルデモードの魂が収められた分霊箱を探すうち、残りの分霊箱はホグワーツにあることをつきとめる。決戦の舞台となったホグワーツで、ハリーは衝撃の事実を知る。そして、ハリーはヴォルデモードを倒すことができるのか?

櫻井輪子(さくらい・わこ)

映画好きが高じて、コラムを書いたりもするイラストレーター。『WOWOWマガジン』『問題小説』『てぃんくる』などでイラストコラムを執筆。『Tokai Walker』の金子裕子さんのコラム「セレブ診療所」にコマ漫画を付けている。過去には『DVD&ビデオでーた』でビデオレビューのイラストコラム、『DVDでーた』で記者会見をレポするコラム『現場から櫻井輪子でした』を連載。

著書に『「へのへのもへじ」から始める 世界一カンタン! イラスト練習帳』がある。公式サイト「SakuraiWako'sめカラうりぼう」。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.