住宅リフォーム、原発事故で“創エネ”需要が急増

» 2011年09月12日 13時19分 公開
[Business Media 誠]

 富士経済は9月12日、住宅リフォーム市場の調査結果を発表、2011年度の市場規模を前年度比1.7%増の7兆6143億円と見込んだ。伸び率は2010年度の同3.6%増を下回ったが、「北海道・東北エリアの震災後の復興需要は緊急性の高い修繕工事に加え、大規模修繕工事の需要が数年間にわたって続くと予測する」(富士経済)。

住宅リフォーム市場(2011年度は見込み、2014年度は予測)

戸建住宅 集合住宅 合計
2009年度 4兆8500億円 2兆3700億円 7兆2200億円
2010年度 5兆316億円 2兆4519億円 7兆4835億円
2011年度 5兆1253億円 2兆4890億円 7兆6143億円
2014年度 5兆4250億円 2兆6350億円 8兆600億円

創エネ市場が急伸

 分野別にみると、自家発電によって住宅用エネルギーを創り出す創エネリフォーム市場※は前年度比42.5%増の3774億円。2010年度には補助金や余剰電力買い取り制度の変更で同35.0%増と駆け込み需要があったが、2011年度についても東日本大震災や福島第一原発事故によって、消費者の再生可能エネルギーへの意識が高まっていることが影響しているようだ。

※住宅用太陽光発電システム、ガスエンジンコージェネレーションシステム、家庭用燃料電池の3品目が対象。

 オール電化リフォーム市場は東日本大震災後の節電要請や一部電力会社が販売自粛していることから、2011年度は前年度比0.5%減の2757億円。しかし、中長期的には安定的に拡大するとして、2014年度には2010年度比9.7%増の3041億円になると予測している。

 耐震リフォーム市場は、東日本大震災の影響で2011年度は前年度比7.5%増の4280億円と伸びる見込みだが、2014年度は2010年度比3.0%増の4100億円にとどまると予測している。富士経済では「大規模改修の際に実施されるケースが多いため、堅調ではあるが急激に拡大する市場ではない」とコメントしている。

主要分野別市場動向(出典:富士経済)

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