矢野経済研究所は11月21日、国内人材ビジネス市場に関する調査結果を発表した。それによると、人材派遣業の2010年度の市場規模は前年度比6.0%減の4兆4500億円と、2年連続で減少したことが分かった。
2010年度は景気が回復傾向にあったため、2009年度に比べると減少幅は縮小したが、矢野経済研究所では「2008年以降に生じた派遣イメージの悪化や規制強化の動きもあり、足元は厳しい情勢にある」と分析している。2011年度については、東日本大震災の影響で製造業を中心に雇用が冷え込んだことなどから、前年度比3.4%減の4兆3000億円と予測している。
一方、人材紹介業の2010年度の市場規模は、前年度比11.8%増の850億円と3年ぶりに拡大した。リーマン・ショック後の急速な景気後退で2年連続で大幅に減少していたが、「2009年度後半からゆるやかながらも景気が回復して、企業の人材需要が拡大した」(矢野経済研究所)。
2011年度については、東日本大震災で一時的に採用がストップしたものの、6月以降は復興需要などが加わり大幅に改善。マネジメント層などハイクラスの求人も好調なことから、前年度比17.6%増の1000億円と予測している。
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