私(A)は会社で働きながら、なんとか70万円を貯めました。しかしそっくりそのまま銀行に預けたままなので、なかなか増えません。できれば「投資」というものを始めたいのですが、どの商品を買ったらいいのか分からないし……。そこで『20代で知っておきたいお金のこと』を書かれた岡村先生に、話をうかがいに来ちゃいましたー。
前回「長期間で損得を考えること」「預貯金の習慣をつける」という2つのポイントを教えてもらいました。この2つは投資をする前にものすごく大切なことらしいのですが、実は私……ちゃっかりできています(嬉)。でもまだまだ。「株式」というものが、どういう仕組みなのかよく分かりませんから……(涙)
A:先生、以前から気になっていたのですが、FXと株式投資の違いはなんでしょうか?
岡村:FXは株式投資と違って「ゼロサムゲーム」なんですよ。
A:ゼロサムゲームって?
岡村:例えば100人得した人がいれば、その裏で100人損をした人がいるということ。株式投資というのは基本的に、会社の成長と一緒に株価も上がっていきます。株価が上がれば、その株を持っている人がもうかるという仕組み。
FXというのは通貨を取引しますが、通貨自体は価値を生み出しませんよね? 通貨は売買したあと、交換する為替レートが動くことで、もうかったり損したりします。
例えば「1ドル=100円」の時代がありましたが、今は1ドル80円くらいになり、円の価値が強くなりました。このように為替レートが動くと、円を持っていた人は得し、ドルを持っていた人は損をします。
A:為替レートが100円から80円に動いただけで、もうかった人と損をした人がでるってことですか?
岡村:FXは同じ価値のものを交換するだけで、それぞれが逆の取引をしているだけ。Aさんがドルを買ったら、全く同じ金額のドルを売っている人がいるということです。
つまりバランスが合ったものだけ取引が成立しているんですね。今、円が強くなっているのは「円が欲しい人」と思っている人が多いから。そうすれば円の価格が上がっていきます。
逆に「ドルが欲しい人」が少なければ、ドルの価格は下がってしまう。その需給バランスが一致するところで、為替レートが決まります。
FXの取引は、通貨を交換しているだけなので、経済活動の成長には寄与しません。もちろんFXを扱っている会社は、投資家からの手数料などでもうかりますが。一方の株式投資は、投資家が企業にお金を与えて、そのお金で企業は事業を営みます。そしてその企業が大きくなれば、経済成長につながっていきます。
もちろん「FXが悪い」「株式投資は良い」といった話ではなく、性質が違うものだと理解してくださいね。ただ、株式は「投資(インベストメント)」と言いますが、FXは「投機 (スペキュレーション)」と言いますね。
A:なるほど〜。
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