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» 2011年12月27日 08時03分 公開

ちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か(特別編・前編):大阪の未来はバラ色か? 橋下市長にふりかかる困難 (5/5)

[土肥義則,Business Media 誠]
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ちきりん:おっしゃるとおり、どんなに意味不明な手当でも、長年にわたり毎月入ってきていたお金は、もらっている側からみれば既に生活費に組み込まれているわけで、廃止といえば大抵抗が起こるのは分かります。

 しかし、そういった手当が支払われていたことを市民はほとんど知らないわけですよね。私はそこが一番の問題のような気がします。バス路線の件も同じで、廃止するといえば市民やメディアから反論がでるのは分かります。特に「クルマに乗れない高齢者を切り捨てるのか?」という話は聞こえがいいですから。

 でも、例えば「このバス路線では、月に100人しか乗客がいないのに、バスと運転手の人件費で何億円かかっています」という情報が開示されれば、「それが税金の使い道として効率的か? 妥当か?」という議論が始められます。そこの情報がないと、財政問題ではなく、「とにかく弱者を守れ」という“誰も反論できない道徳”の話になってしまう。

 勤務シフトが厳しくなることに労働組合からの強い反発があり、路線廃止をマスコミが「弱者切り捨て」と大きく取り上げて、善良な市民の間にも「行政サービス切り捨て!」という話が広がっていく。数字に基づいた議論がなされることなく、全員が反対に回ってしまう、という構図ですよね。

中田:やがて署名活動が始まり、「これだけ反対の署名が集まりました」と市長のもとに持ち込まれます。「赤字路線の統廃合反対」に署名するということは、次の選挙では「中田宏に投票しない」という意思表示でもあります。

 横浜市で僕が経験したことは、大阪市でも山ほど出てくるでしょうね。

ちきりん:そうですね。政治家は公務員とちがって票が命ですものね。橋下新市長もこれから本当に大変そうですが、あれだけの票を得たのだから、民意は明確だと思います。

続く

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