「数年前の話なのですが、作家の荒俣宏先生をゲストでお呼びした時、本当に怖かった(苦笑)。先生はステージ上でマシンガンのごとく喋り続け、私の入り込む余地なんて全然なかったんです。終了後に先生に怒られましてね。『トークショーは、ボケとツッコミの利いた掛け合いの漫才にしないとダメだよ』って……。
正直、相当へこみましたよ(笑)。でも、とても勉強になりましたね。『相手がすごい人だからといって変に遠慮してはいけない。遠慮に愛情はない』と」
それ以来、テリーさんは誰とステージをともにしても決してビビることなく、関西人の本領を発揮して(?)、ビシバシ、ツッコんでいけるようになったという。
どんな仕事でもとにかく場数を踏むことの大切さ、それも一流と言われる人々と仕事することの大切さを、まさに身を持って知ったテリーさん。今でも毎月15本の各種イベントを企画運営し、その内の10本は自ら司会(&インタビュー)も担当している多忙ぶりだが、必ず毎回行っていることがあるようだ。
「イベントの前夜、特に自分自身が司会(&インタビュー)を担当する場合は、トイレか風呂場にこもって、トークショーの本番さながらに声に出して、1人でリハーサルするようにしています。構成作家が台本を書いてくれるわけではありませんし、そうかと言って、その場のノリで何とかなるほどトークライブは甘くありませんからね」
ステージ上で軽妙洒脱なトークを展開して場内をわかせているテリーさんが、前夜、密かに自宅のトイレの便座に座ってブツブツ言いながら練習を重ねている姿を誰が想像できるだろうか? しかし、そうやって見えないところでコツコツと努力し続ける人こそがプロフェッショナルになり得るのかもしれない。
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