なぜ部下育成はうまくいかないのか?新連載・部下育成の教科書(2/5 ページ)

» 2012年04月12日 08時00分 公開
[Business Media 誠]

うまくいっているマネジャーたちが、共通して行なっていた「ある法則」

 では、なぜ部下は思うように育ってくれないのでしょうか。

 一言でいえば、職場における部下の能力やキャリアがバラバラな中で、それぞれの部下の成長段階に合った育成や指導ができていないという点に問題があるのです。

 ここで少し、私たちの自己紹介をさせてください。私たちが所属するリクルートマネジメントソリューションズは、人材育成や組織開発などを事業の柱としています。人材育成のトレーニングは年間1900社の企業から、約14.8万人の受講者にご参加いただいています。トレーニングプログラムには、さまざまな対象やテーマのものがありますが、特にマネジメント・リーダーシップ開発のプログラムを中心に置いています。

 さて、多くの企業にトレーニングプログラムを提供する中で、マネジャーの効果的な指導・育成には、ある「共通点」が見えてきました。

 うまくいっているマネジャーは、部下の成長段階をきちんと捉え、その段階に合わせた仕事の任せ方、経験の積ませ方、仕事のプロセスでの関わり方を意図的に行っていたのです。

 新人には新人、入社3年目の若手には若手、中堅社員には中堅の、効果的な育成方法があります。にもかかわらず、同じ「一般社員」とか「部下」というくくり方で、みんな同じように指導・育成しようとしてしまう。もっと言えば、新人以外の部下には特に意図的な育成はしていないというマネジャーも少なくありません。こうした状況が、「一皮むけない中堅」を生んでいたのです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.