その体験は本人にとってチャレンジを伴う困難なものであり、また興味深いことに、その体験とは失敗体験やうまくいかなかった体験も多いのです。失敗したという事実、うまくいかなかったという悔しさや苛立ちが、自分を変えよう、変わらなくてはいけないと思う要因となり、さらには、うまくいかなかった原因を振り返ることで、何をどのように変える必要があるのかのヒントを得ることにもつながるのです。
上司として、このような仕事体験をトランジションの時期にタイミングよく割り当てられるかどうかは、一筋縄ではいかないでしょう。しかし、部下にどのような仕事を割り当てるのか、仕事の要求レベルをどの程度に設定するか、これらを決めることができるのは、職場の中でマネジャーであるあなたの他にはいないのも事実です。
どのような仕事を任せるのか、定量的・定性的にどのレベルの成果を求めるのか、なぜその仕事をその部下に任せるのか、そこで何を身につけてほしいのか……これらの問いの答えは、実は、これからお話しするトランジションを促す方法にあります。
(続く)
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