実のところ、タブレットに関する話題は、これからにぎやかになってくることが想定できるのだ。
1.夏頃にGoogleが、自社ブランドの7インチタブレットを発売
2.秋には「Windows 8」タブレットが登場。iOS、Androidと三つ巴の戦いになる?
3.Amazonが「Kindle Fire」の10インチ版など、複数のタブレットを発売する
4.アップルが7.8インチ、または8.4インチ程度の「iPad mini」を発売するという噂がある
5.サムスンの「Galaxy Note 10.0」など、注目の機種が複数メーカーから登場する
Amazonは、「Kindle Fire」の投入に合わせるように、ストリーミングを開始してHuluやNetflixに対抗し始めている(セットトップボックスやゲーム機にも配信される)。年間75ドルを払って「プライム・インスタント・ビデオ」の会員になると、映画やテレビシリーズが見放題になる。映画やテレビ番組など、同サイトによるとコンテンツは10万本以上から選べるようになっている。
1月にラスベガスで開催された情報家電の見本市「CES 2012」では、こうしたメディアタブレット的な使い方を超える提案もされていた。カメラを通して操作の難しい機械の使い方をアドバイスするQualcomのARのデモ。フランスの「Qooq」という、台所に置いて油が飛んでも平気だという料理用タブレット。発展途上国の子供教育向けのOLPCタブレット。省エネなどを目的とした、家庭のコントロールなどだ。
タブレットで今後期待できる利用目的は「ネットショッピング」という意見もある。米国では、数年前から「コネックテッド・コンシューマ」(ネットを使う消費者)という言葉があるが、タブレットによって40代女性がそうした市場の中心になっているという指摘がある。使いやすいタブレットが彼女たちをネットに誘い、Facebookがそこで機能している。新しいデバイスとクラウドによって、まったく新しい消費の仕組みがすでに動きつつある。
スマートフォンの勢いも当面は止まらないだろうが、今起こっているメディアのイス取りゲームの最後に座っているのは、タブレットかもしれないのだ。しかし、このように書いても、日本のタブレット市場の現状は「iPad」に興味を持ったビジネスマン層が「Galaxy Note」にも興味を持ち始めたという程度だろう(画面が大きめというだけで、「Galaxy Note」はタブレットではないが)。日本では、タブレットが世界市場ほどには売れていないこと自体が問題なのかもしれない。
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