大阪都構想のカギを握るのは、モノレールかもしれない杉山淳一の時事日想(1/5 ページ)

» 2012年06月22日 08時08分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


 大阪が元気だ。橋下氏が知事の職を返上して大阪市長となり、民意の期待に応える形で大阪都構想を推進している。6月12日には大阪都構想を実現するための法案が民主党と国民新党から共同提出された。これより先に自民党と公明党も地方自治体法の改正案を提出しており、みんなの党と新党改革も別の地方自治体法の改正案を提出している。

 14日になって、これらの3つの法案を1本化して共同提案しようと動き出している。大阪都のための法案ではなく、東京以外にも特別区を設置できるようにする法案という。つまり、大阪だけではなく、条件が整えば「京都都」や「福岡都」だって可能になる……だろうか。

 それはともかく、“大阪都”の成就は鉄道関係者も注目している。大阪府は国内で新路線建設のニュースが最も多い自治体だからだ。これまで大阪モノレールの延伸計画は、何度も浮上しては消えている。まるでオオカミ少年のような状態であった。しかし私は松井知事が大阪モノレール延伸を検討したというニュースを聞いて、「今度こそ本当に動き出すかもしれない」と思った。

黒線が現在営業中の区間、赤線が松井知事が検討すると表明した延伸検討区間、青線は計画中の区間(予想)
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.