前編では整備事業に着手された路線を紹介した。後編では構想段階の路線について紹介する。
8号答申の時期はどの路線も整備未着手の状態で、開業時期の見通しは立っていなかった。当時よりも少子化傾向と景気後退は厳しくなっているため、進展は期待できそうもない。しかし、一時期の原油高騰と環境問題への配慮から、鉄道への期待が高まっていることも事実である。
→どうなる、こうなる首都圏の鉄道網――(2)東京エリア編その1
→どうなる、こうなる首都圏の鉄道網――(3)東京エリア編その2
→どうなる、こうなる首都圏の鉄道網――(最終回)成田新線・新交通編
8号答申が挙げている順に、現在構想されている路線を紹介する。筆者の所感を多分に含んでいることをご承知願いたい。地図はGoogle Mapsより引用し、将来どのように鉄道が走るかを赤線で大まかに示した。
太秦天神川駅南西に延伸し洛西ニュータウンへ延伸する計画。運輸政策審議会答申第10号にも記載され、答申8号にも継承された。しかし開業のめどは立っていない。京都市営地下鉄東西線の当初の計画は、京都市中心部と東部山科方面を結ぶ路面電車の延伸だった。しかし、自動車の普及と交通渋滞の影響で、地下鉄計画に変更された。その後西への延伸が構想され、さらに南へ延伸して長岡京を結ぶ計画となった。
西方面の延伸の背景には洛西ニュータウンへの鉄道アクセスの需要がある。洛西ニュータウンは京都市が初めて手がけた大規模ニュータウンで、1970年代に多くの市民が居を構えた。運営法人である洛西ニュータウン管理公社によると、2007年4月現在で約1万1000世帯、約2万8000人が入居しているという。東西線延伸区間には洛西ニュータウンを中心とし、京都市や長岡京方面へのアクセスを充実させるという期待があった。
しかし、京都市の財政が悪化したため建設は停滞。2008年に京福電鉄と接続できる太秦天神川駅まで延伸したものの、以遠の区間は事実上の中止に追い込まれた。東西線の延伸計画によって洛西ニュータウンの人気は高まったが、その後の進ちょくはないため道路の渋滞が深刻となり、ついには人口の流出が始まっているという。地下鉄の延伸とは別に、洛西ニュータウンには新交通システムなど新たな鉄道アクセスが必要かもしれない。
答申8号で新たに盛り込まれた路線。京都駅を南北に走る京都市営地下鉄烏丸線の南端、竹田駅からさらに南へ延伸する計画だ。延伸区間は油小路通りの延長部分にあたり、京都市と南部を結ぶ幹線という位置付けである。そこに地下鉄を通すことでさらなる発展を期待したと思われる。
しかし、前述の通り京都市の財政悪化のため休止状態にある。延伸距離が短いこと、付近に京阪電鉄と近鉄の丹波橋駅があり、鉄道空白地帯とも言えないことから東西線延伸よりは優先度も低いとみられる。
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