連載
» 2008年12月29日 16時39分 公開

どうなる、こうなる近畿圏の鉄道網(後編)近距離交通特集(3/6 ページ)

[杉山淳一,Business Media 誠]

京阪奈新線

 近鉄けいはんな線を学研奈良登美ヶ丘駅から延伸し、近鉄京都線高の原へ到達させる計画。合わせて、その途中から分岐してJR片町線祝園駅、近鉄京都線新祝園駅に至る計画も盛り込まれている。しかし現在、建設の見通しは立っていない。

 近鉄けいはんな線は当初、大阪と奈良を結ぶ近鉄奈良線の混雑解消という目的があった。難波駅から生駒駅は急行で25分、近鉄奈良駅までは同40分で、奈良市は大阪のベッドタウンとして発展し続けていた。そこで生駒駅から西方面へ長田駅までを近鉄が、長田駅から大阪都心までを大阪市営地下鉄が建設することとした。近鉄側の路線は1986年に近鉄東大阪線として開業した。

 生駒駅から東側の路線は、1978年から始まる関西文化学術研究都市の構想と発展に応じて計画された。関西文化学術研究都市は大阪府、京都府、奈良県の境に広がる京阪奈丘陵にある。国土庁(当時)はそのアクセス路線として近鉄東大阪線を延伸し、近鉄京都線高の原駅までの路線と、途中から分岐して西木津駅へ向かう路線を示した。

 そこでまず近鉄は学研奈良登美ヶ丘駅までを2006年3月に開業した。この路線の建設に当たっては、自治体からの支援を得やすくするため、建設と保有を目的とした第三セクターの奈良生駒高速鉄道を設立した。開通後、近鉄東大阪線は近鉄けいはんな線に改称された。

 答申8号はこれを受けて、さらに高の原駅、新祝園駅方面への延伸を示している。しかし、バブル期に発案された関西文化学術研究都市の開発が構想より進んでいないこと、奈良方面、近鉄京都線方面へはバスの便があり、移動需要をまかなえていることなどから建設は白紙状態にある。

 実現に当たっては、関西文化学術研究都市の発展と人口増が条件となる。近鉄けいはんな線の学研奈良登美ヶ丘駅開業による効果が出てからの推移を見守る必要があるだろう。もしかするとリニア新幹線の接続路線として活用されるかもしれないが、たとえそうだとしても遠い未来の話である。

赤線が新線(筆者予想)、青線が近鉄けいはんな線開業区間

大阪モノレール延伸

 大阪モノレール本線の東端にある門真市駅から延伸し、東大阪市の瓜生堂に至る路線。実現のめどは立っていない。大阪高速鉄道が示した2006年から2015年までの中長期経営計画では、「今後の検討課題として収支採算性の検討を続ける」としている。ただし、「実現に向けて経営基盤の確立を図り、中長期経営計画の達成状況を睨みながら」という記述もあることから、2015年以降の検討課題になっているといえる。

 元々、大阪モノレール本線は、伊丹空港と東大阪市、堺市の工業地帯を環状に結ぶ壮大な構想だった。しかし、ひとまずは伊丹空港への延伸、彩都線の延伸完了を持って開発を終了し、門真市から先は必要なときに延伸していく方針のようだ。

赤線が計画区間、青線が既開業区間、緑字が構想路線

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